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パナソニック、株主総会117分の中身--好調の家電から「何としても生き残る」車載電池まで - (page 3)

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出資していたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ倒産にも言及

 午前10時50分頃から、株主の質問を受け付けた。ダイソンが発売している羽のない扇風機に象徴される魅力的な商品がないとの指摘については、常務執行役員の品田正弘氏が回答。「爆発的なヒット商品を生み出せていない点は反省している。パナソニックは、国内唯一の総合家電メーカーとして、暮らしに役立つ商品を投入するために、生活を研究し、そこに真摯に向かいあってきた。こうした資産は他社には負けないものがあると自負している。これを価値に変えて行くために精進していく。お客様に寄り添い、つながることを重視し、商品とサービスを通じて、喜びと感動を実現できる会社になりたい」と回答した。

 また、出資をしていたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズの倒産については、「家電は、家事労働の削減を目指しており、その中で衣類を畳むことに着目。セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズがアイデアを持っていたことから、2015年に協業を開始し、その後出資をしたが、2019年4月に自己破産を申告した。だが、当社の決算に影響を及ぼすことはない。すでにパナソニックの中には、衣類折り畳み技術が蓄積されている。今後、技術開発や商品化に向けた取り組みを進めたい」と答えた。

 トヨタ自動車との次世代電池生産の合弁会社の発表後に、トヨタが他社と提携すると発表したことについては、常務執行役員の楠見雄規氏が回答。「合弁会社の動きになんら影響するものではない。合弁会社の準備は着々と進めている。電動車の普及は各国の環境規制緩和の影響もあり、想定以上の速度で普及させる必要がある。電池の所要量がトヨタでも増えているのではないだろうか」とした。

 10年後に、パナソニックの車載電池事業は生き残れるのかという質問には、「もちろん、なんとしてでも生き残る」と津賀社長は回答。楠見氏は、「それを見据えて開発、生産設備を改善し、トヨタなどとの協業や合弁による強い協力関係を作っている。それは、10年後に向けて生き残るための施策である」と回答した。

 また、「10兆円といっているが、いつも8兆円である」と売上高の成長性に関する質問については、「激励と受け止める。だが、利益は非常に重要である。その点も理解して欲しい」と津賀社長が回答した。

 ソニーや日経平均株価に比べて、パナソニックの株価が低い点については、津賀社長が、「株主には株価低迷に関して、ご心配、ご迷惑をかけていることをお詫びする。株価をあげていくことは重要である。我々もこの業績で、この株価水準は容認できない。これには、2つの要因がある。1つは、2018年度に、2回に渡って業績の下方修正をしたこと、2019年度も減益見通しであり、とくに、事業の実力を示す調整後営業利益が減益である。もう1つの要因は、高成長を目指して投資をしてきた車載電池の領域で、売上高の成長に、利益の成長が伴っていないという点。テスラの経営の先行き不安が発覚し、テスラの株価の下落とともに、パナソニックの株価も下落した。だが、中期経営計画の間には、株価を向上させたいという思いでこれを策定している。基幹事業を中心にした1000億円の増益、固定費の1000億円削減も株価の回復につながる。また、オートモーティブを独立したセグメントとし、利益改善を重視していくことになる」とした。

 津賀社長に対して、「今日は疲れているように見える。無配から配当を復活させるといった時のような迫力が感じられない」との指摘もあったが、「すでに7年間、社長を務めてきた。2018年の100周年は無事に終えたが、業績はいい状況ではない。大切なのは、100年続く企業をどのように復活、再生させるかということであり、これを、誰が社長としてやるのか、社長を何年やるのかということは、ある意味では大事な話ではあるものの、社長一人でやれるものではない。チームを組んで、思いをつなぎ、世代交代をしながらやっていく。1年1年覚悟を持って変革し、次の世代にバトンを渡していくという覚悟をしている。株価が低いせいもあり、迫力がないのもかもしれない」などとした。

 社外取締役に関する質問についてもあり、「社外取締役からは、活発な意見をもらっており、取締役会は活性化している。業績にはつながっていないが、その貢献は間違いがない」と津賀社長が回答。執行役員の三島茂樹氏は、「社外取締役は、余人を持って代え難い人を選んでおり、年齢は考慮していない。また、年数についても基準を持っているわけではない」などと答えた。

 また、株主からの質問において、社外取締役からの発言が聞きたいとの要望があり、それに対して、津賀社長は、「エイやで振らしてもらいたい」として、2人を指名。社外取締役の大田弘子氏は、「私の役割は、空気を読まずに、意義があるときには意義を言うことである。疑問点は率直にぶつけている。また、できる限り現場に足を運んで、理解を深める活動をしている。いまのパナソニックは、どの分野に狙いを定めていくのかを模索している段階にある。一方で、自ら変わっていく力を内側に持ち始めた。常に変わる勇気を持つことは重要である。松下幸之助創業者は、『日に新た』という言葉を好んで使った。この言葉を心に刻んで、緊張感を持って、パナソニックを支えたい」とコメント。

 同じく社外取締役の冨山和彦氏は、「私は、経営の立場から、空気を読まずに意見を言うことが役割である。グローバル化、デジタル革命が起きている時代において、あらゆる企業が、事業や機能の新陳代謝を進めなくてはならないといえ、パナソニックに関しても、活力があり、新陳代謝のある会社にしなくてはならない。活力を持っていない事業を代謝し、新たにソリューション領域を成長させていくことが大切である。また、間接固定費が重たいということは指摘しつづけている。パナソニックが復活し、かつてのような成長力をつけることが、日本のすべての大手企業の手本となる」とした。

 

 なお、今回、神戸市内で株主総会が開催したことについては、副社長の佐藤基嗣氏が回答。「1年前からG20の開催はわかっていたが、例年、5000人の株主が参加しており、それを開催する場所は、大阪城ホールしかない。しかも、準備に3日間かかるため、会場を4日間連続で抑える必要がある。そうした条件を考えたところ、前倒しができないことがわかった。そこで、関西地区で5000人が出席できるこの場所を選んだ。2020年は大阪城ホールで開催することに向けて、すでに予約をしている」とした。

 第1号議案の取締役11名選任の件、第2号議案の監査役1名選任の件、第3号議案の報酬額改定の件は、すべて可決された。株主総会は、午前11時57分に終了。所要時間は、117分となった。

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