楽天と西友は6月17日、ドローンを活用した配送サービスを、7月4日に神奈川県横須賀市にて開始すると発表した。
このサービスは、横須賀市の猿島で提供。猿島の対岸に位置する西友 リヴィンよこすか店が配達拠点となる。ユーザーはスマートフォンアプリを使用して、バーベキュー用の食材や飲料、救急用品など約400品目の中から注文できる。決済は楽天ペイを使用。商品代金に加え、配送料500円が加算される。
配送サービスに使用するドローンは、中国でECサイト最大手「京東商城(JD.com)」を運営する京東集団が開発した機体。最大積載量は5キロとなる。この機体に商品を搭載し、リヴィンよこすか店と猿島の間約1.5キロを、片道約5分で飛行する。
配送サービスは、7月から9月の期間中の木・金・土曜日に提供。1日あたりの飛行回数は最大8回となる。また、雨天時や最大風速10メートル毎秒を観測した際には、サービス提供を中止する。
2016年から、千葉県や福島県でドローン配送のサービスを展開してきた楽天。今回のサービスは配送料を収受するため、従来とは異なり商用サービスとして展開する。このドローンを活用した商用配送は、離島では日本初となるという。
今回サービスを展開する猿島は、東京湾に位置する無人島だ。釣りや観光のほか、バーベキュー場として人気があり、年間20万人が来島するという。しかし、島内にスーパーやコンビニはなく、本土と猿島を結ぶ船便も1時間あたり1本の運航で、食材が不足した際などに買い出しに行くことは難しい。楽天と西友は、この猿島で配送サービスを展開することにより、猿島来訪者の利便性向上を図る。
なお、今回のサービスでは、ドローンが飛行するルートはほとんどが海上となる。そのため、万が一ドローンに不具合が発生した場合でも、地上に対する危険は少ない。
また、猿島が所在する横須賀市は、丘陵地や階段が数多く存在する地域となっている。自動車が入れない場所に建つ家もあるなど、買い物に出ることが困難な世帯も多い。楽天は、今回のサービスで得たノウハウによって、物流困難者支援や災害発生時の緊急物資配送を、横須賀市にて展開することを目指している。
楽天 常務執行役員の安藤公二氏は、「ドローンを活用して物流問題、特にラストワンマイル問題を解決したい」と、今回のサービスが目指すものを説明。「将来的には国内さまざまな場所での課題解決に活用したい」とする。また、西友の執行役員 シニア・バイス・プレジデントの竹田珠恵氏は、「将来的には買い物困難者に対するドローン配送の提供や、スーパーにおける買い物の利便性向上を目指す」と、将来展開像について語った。
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