この7年間に数百台の「iPhone」を盗んだとみられるニューヨークの犯罪集団が逮捕されたと、Quartzが報じた。総額1900万ドル(約20億5000万円)以上に相当するiPhoneを盗んだという。
この事件で6人が逮捕され、4月末にニューヨーク州の連邦検事局に起訴された。Quartzによると、このたび訴状が公開され、容疑は郵便詐欺、共謀、身元詐称などの重罪だという。
高額な機種は1台1450ドル(約15万7000円)に及ぶことを考慮すれば、詐欺師らがAppleのiPhoneに労力を集中させるのは珍しいことではない。
2カ月ほど前、オレゴンでエンジニアリングを学ぶ中国人学生2人が保証請求によって偽のiPhoneを新しいものと交換し、Appleから数十万ドルをだまし取ったという報道があった。2018年8月には、別のニューヨークの犯罪集団がハッキングしたiPhoneユーザーのアカウントを利用して端末を購入し、総額100万ドル(約1億1000万円)以上をだまし取ったとして逮捕された。
Quartzによると、今回逮捕された犯罪集団のうちの数名が盗んだ個人情報を利用してスマートフォンの契約者になりすます詐欺を働いた。その数名は偽の身分証やデビットカードを持って店舗へ行き、自分の端末を新しいものにアップグレードしたいと述べたという。その後、新たに入手した端末をニューヨークの犯罪集団に送り、現地のメンバーがそれらをブラックマーケットに売ったとされている。
個人情報を盗まれたユーザーは、最終的にアップグレードされたスマートフォンの費用を請求されたとQuartzは報じている。犯罪集団は被害者らに月賦払いの契約を結び、被害者らが請求にすぐに気が付かないようにしたという。
裁判所に提出された文書では被害者数や盗まれたiPhoneの台数は明らかにされていないが、ニューヨーク宛ての数十の小包からおよそ250台のスマートフォンが多数の偽造クレジットカードや運転免許証と共に発見される事件があった。
匿名の翌日配送サービスの従業員が疑念を抱いたことが今回の犯罪集団の逮捕につながった。その従業員は、州外から送られてくる大量の小包の宛先が、企業や個人宅ではなく特定の運送会社の店舗であり、さらに返送先が州内の住所となっていることを不審に思ったという。
Quartzによると、詐欺罪に問われている6人は裁判を待っているところだという。全員無罪を主張し、10万ドル(約1100万円)の保釈金を支払って釈放された。
Appleにコメントを求めたが回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」