YouTube上のインフルエンサーが贈る無料プレゼントに当選。そんなうたい文句でフォロワーを狙う詐欺が横行している。しかも、当初考えられていたより、かなり前から続いていることも判明した。
この詐欺行為は先々週の報道によって注目を浴びている。コメンテーターのPhilip DeFrancoさん、化粧品ブランドなどを手掛けるJeffree Starさん、ラッパーのBhad BhabieさんなどYouTube上の有名人になりすました詐欺師が、その知名度を利用して利益を得ようとするものだ。
DeFrancoさんはYouTube動画の中でこの詐欺行為を取り上げ、チャンネル登録者にこう警告している。「もし、私やほかのクリエイターから、こんな(スクリーンショットの)メッセージが届いたとしても、それは私ではないし、ほかのクリエイターたちでもない。十中八九、なりすまし詐欺だ」
下のスクリーンショットのように、問題のメッセージには、名前をかたられたYouTuberのアイコンと名前が載っており、受け取ったユーザーは「無作為な抽選」の結果、「特別プレゼント」に当選したなどと書かれている。そのうえで、リンクをクリックするよう誘導しているが、そのリンク先はもちろん不正なドメインだ。
(詐欺師からすればハードルが低いとはいえ)かなり新しい手口と思われていたが、RiskIQの研究者によると、この詐欺行為は2016年から行われていた可能性があるという。
米国時間1月30日、RiskIQの研究者であるYonathan Klijnsma氏がブログ記事を投稿し、この詐欺について詳細に論じている。
誰もが真っ先に疑問に思うのは、なりすまし犯がどうやって著名インフルエンサーの名前を難なく使えるのか、という点だろう。答えは、YouTubeでのアカウントの管理方法にある。YouTubeチャンネルに表示される名前は、実際のアカウント名と同じでなくてもよいということだ。
偽名を使い、有名YouTuberと同じアイコンを利用してアカウントを作成すれば、なりすまし犯はファンに向けて友だちリクエストを一括送信できる。リクエストが承認されれば、ダイレクトメッセージを送れるようになる。
次に示す画像でも分かるように、なりすまし犯は本物らしさを装うときにコンテンツを作成する必要がない。友だちリクエストには、かたられたYouTuberの名前以外、チャンネルのスナップショットも何も載らないからだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス