中国で人気の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」と、騰訊(テンセント)は、ハッカーらが盗んだ「Apple ID」を使って顧客のアカウントから資金を盗み出したとしてユーザーに注意を呼びかけている。Bloombergが米国時間10月11日に報じた。ハッカーに盗まれた具体的な金額は不明だ。
アリペイはブログ記事の中で、Appleと協力してハッカーの侵入経路の解明に取り組んでいるとした。さらに、顧客がApple IDをアリペイのアカウント、テンセントが提供する「微信支付(WeChat Pay)」、またはクレジットカードと紐づけている場合には、窃盗の被害に遭うおそれがあるとして注意を呼びかけた。また多額の金銭が盗まれないように、取引額の上限を引き下げるよう呼びかけている。
Appleにコメントを求めたところ、同社はApple IDの窃盗には直接言及しなかった。
Appleの広報担当者は電子メールで、「当社は顧客に対し、強力なパスワードを作成し、2要素認証を有効にしてアカウントを保護するよう推奨している」と述べた。
人気チャットアプリ「微信(WeChat)」の開発元であるテンセントもAppleに連絡をとったと報じられている。テンセントはユーザーに対しApple IDを保護するよう促した。WeChatは世界中で大規模なユーザーを擁しており、中国では基本的にあらゆるものの決済に利用できるようになっている。
アリペイは、阿里巴巴(アリババ)傘下の金融サービス会社であるアント・フィナンシャルが運営している。
アリペイとテンセントはいずれもコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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