Googleが2018年に「Duplex」を発表したとき、人間そっくりに話す人工知能(AI)を利用して予約を取るためのシステムだとうたっていた。
だが、Duplexによる通話のおよそ25%はロボットではなく実際は人間が開始していることが分かったという。Googleが米国時間5月22日にそう述べたと報じられている。また、およそ15%はAIソフトウェアが通話した後に人間が引き継いで予約を完了しているという。The New York Times(NYT)は先にこの数字について報じていた。
このサービスが正常に機能する場合、人間のように話すボットが同社のデジタルアシスタントソフトウェア「Googleアシスタント」のユーザーのためにレストランや美容院の予約を取る。Duplexは「uh」(ええと)や「um」(うーん)といった言いよどみを用いたり、特定の語を間延びさせたり、声を上げ下げしたりして人間のように話す。
Googleの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏が2018年5月にDuplexのデモを披露したときから、同社はAIの倫理をめぐる議論に巻き込まれることになった。このソフトウェアは、会話の相手がコンピュータではなく人間かもしれないと人間に思い違いをさせる可能性があるのではないかと懸念する声があった。Googleはその後、人々に話し相手がロボットだと伝える機能を構築すると述べた。
だがあらゆる議論にもかかわらず、Duplexの実際の成功率は、このサービスが依然として大いに人間に依存していることを示している。Googleはロボットの代わりに人間に通話させることを決定する際、複数の兆候を考慮するとNYTは報じている。例えば、レストランが予約を受け付けているかどうかが定かではない場合、Duplexは人間を用いる可能性があるという。
その一方で、GoogleはDuplexを拡張し、レストラン以外の予約にも対応させている。同社は2019年5月、Duplexのサービスを拡張した「Duplex on the web」を発表した。Duplex on the webは、「Googleカレンダー」や「Gmail」の情報を利用して、モバイルウエブ上の予約ページでユーザーの個人情報のフォームへの入力を自動的に行う。レンタカーや映画のチケットの予約に利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」