Appleは「iPhone」向け5Gモデムの開発に取り組んでいるが、自社製モデムチップの完成までにはあと6年ほどかかる見通しだと、The Informationが報じた。Appleは、5Gによる超高速接続の実装については、Androidデバイスのメーカーに後れを取るとみられており、その一方で外部のサプライヤーへの依存を軽減するため、自社デバイスに搭載する部品の内製化を進めている。
iPhoneとモバイルネットワークをつなぐという重要な役割を担うモデムも、Appleが内製化を進めている部品の1つだ。5Gチップはスマートフォンの構成要素のなかでも特に高価で複雑な部品だが、同社はその開発に向けたプロジェクトに携わるエンジニアの採用を続けている。
The Informationは匿名の情報筋の話として、「Appleは(開発)チームの採用候補となるエンジニアとの面接で、2025年までに自社製モデムが完成するとの見込みを示している」と伝えた。
5Gネットワークは、拡張現実(AR)や遠隔医療といった最新トレンドの基盤として画期的な変化をもたらすと言われており、長年の開発過程を経て、ついに世界各地でサービスが始まっている。通信事業者が5Gネットワークの提供を開始し、ほぼすべての大手Android端末メーカーが5G対応デバイスを2019年内に発売する計画を発表しているが、今のところAppleからは音沙汰がない。
Appleは5Gモデムの最有力プロバイダーであるQualcommとライセンス料をめぐって法廷闘争を繰り広げていたため、同社との提携はいったん中断されていた。これによりAppleの5GモデムのパートナーはIntelだけになっていたが、Intelによる実用に耐えるチップの開発は難航した。結局、4月にAppleとQualcommが訴訟で和解し、5Gチップの複数年契約で合意したことを受けて、Intelは携帯電話向け5Gモデム事業から撤退した。
このQualcommとの供給契約により、Appleは5G対応iPhoneの提供が可能になったが、実際のリリースは2020年以降となるとみられる。
Intelが5Gモデム事業からの撤退計画を発表した際、最高経営責任者(CEO)のBob Swan氏は、The Wall Street Journalの取材に対し、同事業から撤退するとの判断がAppleとQualcommの和解に起因するものであることを認めた。
一部メディアでは、AppleがIntelの携帯電話向け5Gモデム事業の買収を検討しているといううわさが報じられているが、一方で、両社の話し合いは合意に至ることができなかったとの報道もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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