Appleは3月末、同社としては非常に珍しいことをした。発表済みの製品をキャンセルしたのだ。キャンセルされた「AirPower」は、「iPhone」、「Apple Watch」、「AirPods」を1度に充電する無線充電パッドになるはずだった。発表から18カ月経っても、製品は1つも登場しなかった。
AirPowerの予想外の死は、Appleにしては例外的な出来事だ。同社は、きっちりした企業というイメージを非常に慎重に育んでいる。発売がかなり先の製品を事前に発表することは稀だし、ましてや出荷前に製品を公式にキャンセルすることなど、ほとんどない。
AirPowerの失敗は、Appleの過去20年間の連続ヒットの中でかなり目立つものだ。「iTunes」、「iMovie」、「FaceTime」のようなサービスから、「iPod」、iPhone、Apple Watch、「MacBook Air」などのハードウェアまで、Appleは一貫して素晴らしいアプリやデバイスを数十年間、世に送り出してきた。
だが、AirPowerのように、同社はたまに、製品設計や発売でつまずくことがある。Appleがおそらくやり直したがっているであろう15の出来事を紹介していこう。
これらについてAppleにコメントを求めたが、回答はなかった。
2017年に発表されたAppleの無線充電マットは、iPhone、Apple Watch、AirPodsを同時に充電できるよう設計された。また、充電中のデバイスは、効率的に充電されていることを確認するために通信できるようになるはずだった。だが、この野心的な充電マットは予定されていた2018年には発売されず、Appleは3月29日金曜日の遅くに、この製品のキャンセルを発表した。
旧型iPhoneの反応が異常に遅くなるという報道を受け、Appleはバッテリー寿命を保護する目的で意図的に遅くしたことを認めた。iPhoneユーザーは、Appleが顧客に事前に通知もせず、了承も得ずにこの対策を決定したことを知って不愉快になった。Appleは埋め合わせとして、影響を受けたバッテリーを29.99ドル(3200円)で交換すると申し出た。2018年末までに、1100万台のiPhoneで新しいバッテリーへの交換が行われた。Appleは、MacBookと「PowerBook」のバッテリーが爆発したという報道にも過去に対処している。
2014年9月に「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が発売された直後から、YouTube上にはiPhoneを曲げて見せるユーザーの動画が溢れた。皆、ショッキングな映像から目をそらすことができなかった。Appleは欠陥のある曲がる端末を持っているユーザーはほんの一部だと主張したが、製造不良品は交換すると語った。その後の数年間、新発売のスマートフォンが曲がるかどうかが心配の種になった。
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