Facebook共同創業者のChris Hughes氏は、最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏が過大な権力を持っているとし、同社は独占状態にあると述べている。Facebookは年次開発者会議「F8」で、プライバシー保護を強化する姿勢を示したばかりだ。
Hughes氏は米国時間5月9日、The New York Times(NYT)の論説記事で、Facebookを分割するべきだと語った。Hughes氏は、Zuckerberg氏が自分に反論しないチームで周りを固めていることを懸念しているという。そのため、政府がZuckerberg氏に責任を課し、同氏の「絶対的権力」を抑える必要があると述べた。Hughes氏によると、Zuckerberg氏は「Facebook」「Instagram」「WhatsApp」を管理下に置いているほか、Facebookで議決権の約60%を握っているという。
Hughes氏はこの論説で、「米国は従来、独占を抑制してきた国家だ。そうした企業のリーダーがどれほど善意ある人物であろうと関係ない。Mark(Zuckerberg氏)の権限は前例がなく、非米国的だ」と述べている。
Facebookのグローバルアフェアーズおよびコミュニケーション担当バイスプレジデントを務めるNick Clegg氏は、電子メールによる声明で、成功には責任が伴うことをFacebookは理解していると述べた。
同氏は、成功を収めている米国企業の分割を求めることで責任を強いるのではなく、「ハイテク企業の責任は、インターネットのための新しい規則を導入するという骨の折れる作業によってのみ全うされる。それこそまさに、Mark Zuckerberg氏が求めているものだ」と説明した。
Hughes氏は、FacebookによるInstagramとWhatsAppの買収を許可したことは米連邦取引委員会(FTC)の過ちだとし、それを容易に正せる時間は今、刻一刻と過ぎていると述べた。
同氏は、「最近まで、WhatsAppとInstagramは親会社傘下の独立したプラットフォームとして管理されていたため、そのプロセスはまだ容易なはずだ」とし、「しかし時間が重要だ。Facebookは、3つの統合を急ピッチで進めている。そうなれば、FTCがそれらを分割するのはより困難になるだろう」と語った。
またHughes氏は、分割してもFacebookは収益性を維持するだろうと述べた。
さらにHughes氏は、Facebookを分割するだけでは不十分だとしている。同氏は2007年にFacebookを離れた。ハイテク企業によるプライバシー保護を求め、ソーシャルメディアで許容される発言に関する指針を定める新しい機関の必要性を語った。分割がうまくいかなかったとしても、それを促すことが少なくとも監視の強化につながると同氏は説明している。
「私は、もっと早く警鐘を鳴らさなかったことの責任を取る」(Hughes氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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