それでは、機械学習型チャットボットの「あっぱれ!」な適所はどこでしょうか。
一例は、墨田区の「ごみ分別案内ボット」です。このチャットボットでは、捨てたいものの名称を入力すると、分別方法が返ってきます。利用者として便利なのは、「自転車」と入力しても「じてんしゃ」と入力しても「粗大ごみです、捨て方はこちら」と、正しい答えが返ってくる点です。これは、言葉の“表記ゆれ”に強い機械学習型チャットボットならではの利便性です。
それに、なんと言っても数あるゴミの項目の中からウェブサイトを見て探すのは大変です。自分が捨てたいものが「デスクライト」だと思って、いくらサイト内を探しても、「電気スタンド」という項目を見ない限りいつまで経っても分別方法が分からない……。チャットボットなら、そうした呼び名の違いも(結局は人が設定しているのですが)理解し、回答してくれます。
まとめれば、AI型チャットボットは表記ゆれが想定される問い合わせ対応などに適していると言えそうです。「入会」と「加入」、「送料」と「配送料」など、幅広いサービスの問い合わせで活用されているのがこうした理由からです。
機械学習型チャットボットは表記ゆれが想定される問い合わせ対応などで、ルールベース型のチャットボットはフローが固定されている業務でそれぞれ効果を発揮しそうです。
もちろん、ルールベースか機械学習か、どちらかしか選べないことはありません。まずはルールベースで問い合わせ内容を絞り込み、そのあと一問一答形式で答える機械学習型のチャットボットに切り替える、といった組み合わせも可能です。むしろ、組み合わせることでより顧客体験の向上につながるようなチャットボットが生まれるかもしれません。
読者の皆さんが、いま改善しようとしている業務は、機械学習が必要そうでしょうか。ルールベースと組み合わせて顧客体験を向上できそうでしょうか。ぜひ、“適材適所”で導入を成功させましょう。
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