4月15日~4月21日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
正直なところ、AppleはQualcommとの和解以外に選択肢がほぼなくなっている状態に追い込まれていたはずだ。技術的な問題、そして米中貿易戦争の狭間で、Qualcommと手を組み、米国5G勢力の攻勢を選択したことは、何よりユーザーにとってメリットが大きかった。
AppleとQualcommは2017年から訴訟合戦を繰り広げてきた。Qualcommのいわゆる「ノーライセンス、ノーチップ」(ライセンス契約とチップ供給の抱き合わせ)のビジネスモデルに対して各国の公正取引委員会から「ノー」を突きつけられてきた中、Appleは「iPhone全体の価格に対してライセンス料を支払うのは筋が違う」として、Qualcommとのライセンス契約の更新を止め、サプライヤーを通じたライセンス料の支払いまで止めていた。
一方のQualcommは、AppleがQualcommの知的財産を侵害したとして訴えており、米国では1件の特許についてAppleの侵害を認める判断が出されたところだった。
2019年4月というタイミングでの和解は、Apple、あるいはiPhoneのユーザーにとっては若干遅きに逸したと判断されるかもしれない。しかし和解しないよりははるかに正しい選択と言えるだろう。
2019年末から2020年にかけては、次世代通信規格の5Gの普及が始まる。AppleはQualcommとの係争が長引けば、販売が下落しているiPhoneの数少ない反転攻勢のチャンスとも言える5G特需を見逃すことになりかねない。Qualcomm抜きの5G戦略は、Appleにとってほぼ閉ざされた道、という状況だった。
Qualcommとともに5Gのサプライヤーとして有力で、Appleにラブコールあるいは助け船を出そうとしていたのは、中国の通信企業Huaweiだった。しかしAppleがHuaweiと手を組むことは、現在米国で中国の通信機器を「安全保障上」の問題から閉め出している背景を考えれば、あり得ない選択肢と言える。
一方、Qualcommとの係争以降採用してきたサプライヤーであるIntelは、4GチップでもQualcommに性能で劣ると評価されており、5Gチップの開発も難航が伝えられてきた。Intelに通信チップを依存していれば、5Gがどうなるか分からない。かといって自社開発をし始めようにも、技術的・法的に上手くいくか分からない。
こうして、AppleはQualcommとの和解を選択し、2020年の「5G iPhone」に向けて一歩歩みを進めることになった。
アップルとクアルコム、すべての訴訟取り下げで合意(4/17)iPhone標準のiOSには、Apple IDに紐付いたAppleデバイスを探せる「iPhoneを探す」アプリと、許可した友人の位置情報を表示できる「友達を探す」アプリが用意されている。9to5macは、この2つの「探す」アプリが統合される可能性を指摘した。
iPhoneを探すという名称ではあるが、iPhoneだけが探せるわけではない。同じApple IDでログインしているiPad、Apple Watch、それらとペアリングしているAirPodsといったデバイスを、GPSやWi-Fiの位置情報を用いて見つけられる機能を備える。
一方、友達を探すアプリは、アプリ本体もしくはiMessageなどのコミュニケーションサービスから許可することで、友人の位置情報をフォローしたり、自分の位置情報を公開できるようになる。公開時間の長さを選んだり、常時共有も可能だ。さらに、友達を探すアプリから位置情報を指定すると、その範囲への出入りで通知を受け取れる。子どもがiPhoneを持っていれば、見守りアプリとして機能する。
この2つのアプリが「探す」(という意味の英単語のFind?)というアプリに統合されるといわれても、さほど違和感を感じない。更に言えば、Bluetoothで鍵などをiPhoneから発見できるTileのようなタグをAppleが発売して、統合された「探す」アプリと連携するようになっても良さそうだ。
「iPhoneを探す」「友達を探す」の統合アプリが開発中か--紛失防止トラッカーも(4/18)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」