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人手不足とフードロス問題の解決へ--テイクアウトサービス「LINEポケオ」担当者に聞く

坂本純子 (編集部)2019年04月18日 16時30分
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 LINEは4月18日、テイクアウトサービス「LINEポケオ」を先行スタートした。今いる場所に応じてテイクアウト可能な店舗を検索でき、注文から事前決済まで「LINE」ひとつで完結するサービスだ。さらにセールタブから、お得なテイクアウトメニューを探したり、決済時にLINEポイントを使ったり貯めたりできる。

 2018年10月にテイクアウト事業の本格参入を発表したLINEが、どのようにしてサービスの準備を進めてきたのか。今後の展開について、LINE 執行役員 O2OカンパニーCEOの藤井英雄氏とLINE O2O事業室 ECサービスチーム LINEテイクアウト プロジェクトリーダーの柿沼誠氏に話を聞いた。

LINE 執行役員 O2OカンパニーCEOの藤井英雄氏(右)とLINE O2O事業室 ECサービスチーム LINEテイクアウト プロジェクトリーダーの柿沼誠氏(左)
LINE 執行役員 O2OカンパニーCEOの藤井英雄氏(右)とLINE O2O事業室 ECサービスチーム LINEテイクアウト プロジェクトリーダーの柿沼誠氏(左)

――2018年10月にフードテイクアウト事業の参入を発表した際は「LINEテイクアウト」という名称でした。サービス名を変更した意図は?

藤井氏 : コンセプトとしては“pocketオーダー”で、ローマ字にするとpockeoです。発表時はLINEテイクアウトと言っていたのですが、対をなすサービスという考え方でいくと、ショッピングで言えばオンラインの送客サイトの「LINEショッピング」に対しオフラインの送客サイトの「SHOPPING GO」(実店舗でLINEポイントがたまるサービス)があります。

 食の領域では、オンラインデリバリの「LINEデリマ」を2017年にリリースし、対になるのがこのテイクアウトサービスなのですが、LINEテイクアウトという名前でいいのかと。ちょっとサービス名がとがっているというか、デリマのような独自性があるものにしたほうがいいんじゃないかという議論があって、LINEポケオに変わりました。

 LINEデリマは週末に使う方が非常に多く、配送員が配達するので、最低注文単価が各加盟店で設定されています。ある程度単価がいかないと買えないので、必然的に週末の利用が増えるのでしょう。でも、平日でも週末でも人が3食食べることは変わりません。テストで、LINEデリマの公式アカウントを利用してテイクアウトクーポンを出したところ、平日の需要喚起ができることがわかりました。このサービスをリリースすることで、平日も利用してもらおうというものです。

LINEポケオ。近くにあるお得な店舗も探せる
LINEポケオ。近くにあるお得な店舗も探せる

――利用者のターゲットは?

藤井氏 : LINEのサービスは若年層の女性ユーザーが非常に多く、LINEデリマも20代の女性がメインの客層です。通常、デリバリのサービスは30代~40代の男性がメインの客層で、イメージ的にもそうだと思うのですが、今回も20代女性がメインで動いてくるのではないかと思っています。利用シーンとしては職場もあるでしょうし、学校もあるかもしれない。近くの駅などもポイントになってくるのではないかと思っています。

――まず、すかいらーくホールディングスが運営する「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」からスタートしました。

柿沼氏 : 順次増える予定で、内示をいただいている企業には和食系などがあります。増やしていくことはユーザーのベネフィットにもなるので、偏ったジャンルにするというよりはいろいろなカバレッジで順次増やし、リリース当初は2000店舗ですが、2020年までに3万店舗に増やす予定です。

藤井氏 : いまLINEデリマは1万4000ぐらいの登録なので、チェーン店を入れるとすぐ見えてくる数字です。飲食市場は日本に50万店舗、33兆円と言われる大きな領域で、そこにアプローチするサービスだと思っています。Eコマースの業界の市場規模が10兆円規模と言われているので、単純に考えてその3倍ある市場かつ今のところそんなに競合がいないという状態です。そこで1%でもとれればという話になってくる。

 SHOPPING GOは成功してこの先伸びていくと確信しているのですが、このサービスもはまればものすごく大きなビジネスになる。デリバリサービスはもう1兆円もない市場なので、それと比較すると何十倍というサイズのターゲットの規模で、オフラインのビジネスが発展する可能性を秘めています。

 O2Oサービスで最初からオンラインのほうに振り切らなかったのは、オフラインをやるにあたっては位置情報が重要になってくるからです。位置情報をLINE以上にとれる会社、利用できる会社はそんなにないと思っていまして、われわれができなかったらほかにできないんじゃないかと思っているんです。

 たとえば、すしのテイクアウトのアプリをダウンロードしていても、毎日すしを食べるわけにいかないじゃないですか。すし、コーヒー、中華とそれぞれアプリをダウンロードしてそれぞれに応じてテイクアウトするというのも不便です。食は1つのプラットフォーマーがやったほうがユーザーの利便性は高いんじゃないかと思うんですね。そうなってくると、自社アプリではたぶんできない。(店を)選べるというのが一つ条件になってくるんじゃないかと思います。

「われわれができなかったらほかにできないんじゃないか」(藤井氏)
「われわれができなかったらほかにできないんじゃないか」(藤井氏)

――4月にスターバックスとデジタル領域での提携を発表しました。米国では以前から「モバイルオーダー&ペイ」が始まっており、日本でも期待されています。

藤井氏 : 鋭意交渉中です。コーヒーを事前オーダーして取りに行くことに高い需要があることは理解しています。こことはまだ言えないのですが、コーヒーチェーン各社とお話をさせていただいています。やりたいというご意向を持つチェーンも非常に多いです。

 ですが、オフラインのサービス場合、お客様との前でオペーレションが発生します。オペレーションの問題が大きく、現場が対応しきれない。アルバイトを含めたオペレーションの徹底やシステムを変えるのにどの会社も時間がかかります。サービスを始める上で苦労した点であり、むしろ今も苦労しているところです(笑)

――ほかに苦労した点はありますか?

柿沼氏 : 従来のO2Oカンパニーでは、パートナー企業と業務資本提携を組んでビジネスをしてきました。LINEデリマがまさにそうなのですが、夢の街創造委員会という出前館を運営している企業と組むことで、裏側のしくみや加盟店側の管理は出前館、われわれは集客に振り切ってきました。

 今回はそういったパートナー企業を介さずに事業を興したので、ゼロベースです。ビジネスモデルの設計や飲食業界の課題を把握するといったところからの出発になりました。また、一般消費者に対しては、日本ではマーケットをつくる必要があるので、価格というわかりやすいベネフィットをフックにして日常の生活につなげるという戦略を描くところから始まりました。構想する段階としてはそこが難しかったです。

藤井氏 : 一部店舗に導入というケースもありますが、基本的には全店に導入となると、担当者レベルでは決めきれないので、提案先は役員クラスだったり時には社長だったりして、会社としてジャッジするかどうかというものでした。オンラインサービスの提案の仕方とはまた全然違うところでしたね。

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