音声の中断はなくなった。ニューヨークの街なかを歩いているときの話だ。第1世代のAirPodsは、交差点を渡るとき一時的に音が途切れることがあったが、第2世代は今のところ順調だ。安定したサウンドで包み込んでくれる。こうなると、筆者はますますAirPodsを着けたままになるのだろうか。そうかもしれない。ますます自分だけの世界に没頭するようになるのかもしれない。
こうなってくると、次はどうなるのだろうかと思いをはせてしまうのは当然だろう。Boseの音声スピーカー付きサングラスは、常時接続の世界がどうなるか有力な手がかりになりそうだが、それと同じように、拡張現実(AR)の音声が実生活でガイド役になるのだろうか。その可能性はある。あるいは、うわさされているAppleのAR対応スマートグラスのように、常時オンのARに向けた前進ということかもしれない。現時点で、AirPodsとセルラーモデルの「Apple Watch」は、既に自己完結型のウェアラブルネットワークとなっている。この2つは、ちょっとしたシームレスなセット商品のように感じられる。
新しいAirPods充電ケースのワイヤレス充電は、Qi規格の他の充電器でも使える(サムスン「Galaxy S10」の背面でもいい)。だが、当のAppleのワイヤレス充電マット「AirPower」が幻に消えた今となっては、ワイヤレス充電機能のために5000円を余分に払う理由はいくぶん減ってしまう。Qi規格の充電器がオフィスや自宅にあるならちょうどいいだろうが、AirPodsのバッテリーは筆者のように毎日使っていても数日は持つし、「Lightning」ケーブルでの充電も高速だ。筆者は、ワイヤレスよりLightning経由の方がいい。
通話時のバッテリー持続時間が伸びたかどうかは分からない。筆者はそれほど電話をかけなくなったからだ。音楽は、Apple Watchでも「iPhone」でも、たっぷり聞く。その点で、AirPodsは今まで同様に申し分ない。
2019年時点の筆者は、コネクテッド技術に没入しすぎないよう努めているが、無駄な抵抗に終わっている。コネクテッド技術を追いかけるのが仕事なのだから、しかたない。筆者は今でも、コマンドを発声したり、Apple Watchのアプリを起動したりするより、iPhoneで操作する方が好みだ。以前から、その癖がついている。
筆者が今回何より感じたのは、AirPodsがだいぶ当たり前になってきたことだ。2016年後半には、本当に珍しかった。もっとも、考えてみれば当時は世の中が今とはかなり違っていた。今やAirPodsはありふれたものになり、変化し続ける風変わりな世界で信頼されるものになったようだ。AirPodsを着けているくらいでは、街なかでも目立たなくなった。明らかに分かるスマートグラスをかけるか、新しい仮想現実(VR)ヘッドセットを試しに装着してみれば人目につくのかもしれない。AirPodsは、それくらい標準装備の技術になったのだ。
時間がたつほど、筆者のAirPodsの評価は上がっている。もう少しコントロールできるようになってほしいし、「iPad」や「Mac」、iPhoneの間でもっと簡単に切り替えられればいいとは思う。iPadや「MacBook」に接続するには、いちいちBluetooth設定を開く必要があるからだ。Apple WatchとiPhone間で切り替えるのでない限り、魔法のように切り替わってはくれない。それでも、AirPodsのデザインとその変わらなさは、最近のAppleのデザインに関する戦略では特に成功した一手と言えるだろう。
ただ、1つだけお願いしたい。タバコの吸いさしのような本体は、もう少し短くならないものだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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