TikTokで炎上が増加中--自分から「#炎上したい」若者も - (page 2)

「炎上系」ハッシュタグが若者に人気

 同時に、若者の間で「炎上」に対する感覚が変化しつつあることをご存知だろうか。「やばい、炎上するって」「きゃははは」「炎上上等」などとやり取りをしている高校生を見かけたことがあるが、「炎上」がライトな扱いを受けていることは少なくない。

TikTokでは炎上を願うハッシュタグが少なくない
TikTokでは炎上を願うハッシュタグが少なくない

 たとえばTikTokでは、「#炎上」「#炎上覚悟笑笑」「#炎上系tiktoker」「#炎上願う」「#炎上求む」「#tiktokを炎上させたい」などの、炎上を願うハッシュタグが少なくない。

 そのようなハッシュタグは、当人が自分の動画につけているものであり、動画内容自体は特に問題ないものがほとんど。単純に「バズりたい」くらいの意味で使っているようなのだ。「炎上=恐ろしいこと、避けたいこと」と思い込んでいた筆者には驚きの結果だ。Twitterでも「#炎上したい」「#炎上希望」などのハッシュタグが同様の目的で使われている様子が見られる。

 若者の間では、炎上に対する警戒意識が弱まっているのかもしれない。炎上を理解していない、転載されて炎上する事例が増えていることを知らないという可能性も高い。このような意識の変化が、炎上増加を促進している面があるのではないか。

まとめ、転載されやすいTikTok

 TikTokは保存、転載しやすい上、非公開設定にしない限り、基本的に誰からも見られるものだ。悪意を持って炎上させたいユーザーでも見られるし、転載もできるということになる。

 YouTubeでも、「有名YouTuberの友達と嘘をついて炎上した人のTikTokです。名前は○○。TikTokで探してみてください」などと、ある動画を晒しものにしている、ほぼいじめのような例を見かけた。投稿しているアカウントはその動画しか投稿していないため、晒すことが目的でアカウントを作成したことは明らかだ。

 言うまでもないが、炎上はバズることとはまったく違う。個人情報が特定されると、自分の本名で検索すると炎上事件が表示されるなど、社会的に大きなデメリットを被ることになる。目立ちたいなどの理由で問題ある動画を投稿しないよう、周囲の子どもたちに注意してあげてほしい。また、問題はなくても「可愛い」あるいは「むかつく」などの理由で転載されている例も多いので、安易に自撮り動画を投稿するリスクは伝えておくべきだろう。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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