Qualcommの元最高経営責任者(CEO)のPaul Jacobs氏は、同社を買収して株式を非公開化するための戦いを断念したと報じられている。
Qualcommに長年在籍しているJacobs氏は、1990年に入社、2005年から2014年にかけてCEOを務めた。2009年から2018年には、取締役会長も務めた。今後は、Qualcommの株式非公開化の代わりに、自身が創設したワイヤレス技術スタートアップのXCOMに注力するとみられる。
The Wall Street Journalの報道によると、Steve Mollenkopf氏にCEOの座を譲ったJacobs氏は、Qualcommの財務状況の変化を考慮して、自身の計画を再考したという。
BroadcomがQualcommに敵対的買収を仕掛けていた時期に、Jacobs氏は会長の座を退いた。その後、同氏はQualcommの株式を非公開化したい意向を2018年3月に明らかにした。Broadcomによる敵対的買収の試みは、同社がシンガポールに本社を置いていることに関連する「国家安全保障上の懸念」を理由に、米国のDonald Trump大統領が介入して禁止命令を出したことで失敗に終わった。
Jacobs氏はその後、取締役会に再選されなかった。複数の重要な取締役は、「Jacobs氏がQualcomm買収を提案する可能性を探ることに決めたと取締役会に通知した」ことで、利害の対立が生じると述べていた。
Qualcomm買収の試みを成功に導くことは、これまでもずっと、支援者による潤沢な財源が必要になる困難な戦いだった。Qualcommは自社の市場価値が900億ドルと評価されていたときに、Broadcomによる1460億ドルでの買収提案を拒絶した。Jacobs氏はQualcommの1%しか所有していない。
Qualcommの現在の推定市場価値は670億ドルで、Jacobs氏はもはやそれほど魅力を感じていないとWSJは示唆している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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