Mozillaは、プッシュ通知のスパムに対処する最適な方法を見極めるため、4月の1カ月間に2つの実験を行う意向だ。スパムとなるようなプッシュ通知は、ユーザーのウェブ体験を徐々に悪化させるとして懸念されている。
これらの実験は、「Firefox Nightly 68」と「Firefox Release 67」で行われる。
Firefox Nightlyの実験の目的は、通知プロンプトを表示する新たな仕組みをテストすることだ。一方、Firefox Betaの実験は、ユーザーが現在のプッシュ通知の許可プロンプトにどう対応しているのかという点についてデータを収集することに重点を置く。
Firefox Nightlyの実験は米国時間4月1日~29日に行われる。この期間Firefox Nightlyでは、ユーザーがウェブサイトでクリックする、あるいはキーを押してからでなければ、ウェブサイトがプッシュ通知の許可プロンプトを表示できないようにするとMozillaは説明している。
クリックする前、あるいはキーを押す前にプッシュ通知の許可リクエストを表示しようとしてもすべてデフォルトでブロックされる。Firefoxがこのイベントをブロックする方法も異なる。
この実験の前半2週間は、ウェブサイトに制限を適用すると、Firefoxでユーザー向けの通知が一切表示されない。
後半2週間は、FirefoxのURLバーにアイコンが表示されるが、ページでポップアップは表示されない。ユーザーは必要に応じてこのアイコンをクリックし、プッシュ通知の許可リクエストを承認できる。
今回の実験の目的は、ユーザーとウェブサイトの双方にとって最適な方法を明らかにすることだ。
「Firefox 67」ユーザーを対象に行われる実験は、厳密には実験ではなく市場調査のようだ。
Mozillaは、ユーザーがプッシュ通知のプロンプトにどのような状況で対処しているかを示す情報を収集する計画だ。例えば、プッシュ通知の許可リクエストを初めて操作するまでのサイト滞在時間や、過去に許可リクエストを却下した回数などだ。
Firefox Desktop担当エンジニアのJohann Hofmann氏は、次のように述べた。「Mozillaでは、リリースチャネルに関するこの種のデータ収集はルールの例外で、データの厳格な精査が必要だ。実験は限られた期間に、ごく少数のリリースユーザー人口に対して行われる」
今日では、多くのウェブサイトがプッシュ通知の許可リクエストを表示している。この機能には正当な利用事例もあるが、ここ数年はサイバー犯罪者がプッシュ通知をスパムを送り込む理想的な手法として利用している事例もある。
GoogleやMozillaはこうした問題を把握しており、ChromeとFirefoxではウェブサイトがプッシュ通知のポップアップを表示しないようブロックする設定が追加されている。それでも、このような設定でユーザーを悩ませる問題がなくなるわけではない。また、ユーザー体験を向上させるようなプロンプトが意図したものとならない場合がある。
Mozillaが今後のFirefoxのリリースでこのような問題にどう対処していくのかというのは明らかになっていないが、Mozillaが計画しているこの実験は、まず通知に対するユーザーの反応に関するより正確なデータを収集し、この問題を解決する最善の手段を検討することで、こうした問題に取り組む第一段階となるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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