スカイディスクは3月29日、製造業に特化したAI分析システム「SkyAI」の分析モジュールのひとつとして、人の聴覚特性を模した分析機能「SkySound」の提供を開始したと発表した。
SkyAIは、製造現場にあるIoTセンサーデバイスなどから収集したデータを整形・分析して、AI学習モデルとして作成し、API経由で提供するサービス。利用者は、現場のシステムに組み込んで利用する。利用ケースは、モーターなどの完成品の検品作業や、工場内で音を発生する設備機器の保全、コンクリートの打音検査など。異常データの特徴量も抽出する必要があるため、異常データを取得できる業務に限って利用可能となる。
同社は、SkyAIのデータ整形・分析機能をモジュールとして「SkyModule」を開発している。また、SkyModuleとして、振動分析、要因分析など、製造業で利用できるサービスを開発しているが、今回はその第1弾として、音分析モジュールであるSkySoundの提供を開始した。
音データの分析では、FFT解析(時刻歴の波形にどの周波数成分をどのぐらい含んでいるかを検出する)という手法が利用されているが、人が音の特性を理解する仕組みとは大きく異なる手法だった。そのため、人が聞いて正常・異常の判断をしている音の特徴成分と、FFT解析での分析結果として出てくる特徴とでは大きく異なり、音の種類によっては判定の精度が低い場合もあったという。
今回提供を開始するSkySoundでは、さまざまな特徴抽出手法を組み合わせ、1分程の音データから1万件以上の特徴データを作成。作成した特徴データを、同社のビッグデータ解析技術を用いて最も効果の高い特徴に絞り込み分析する。特徴作成、絞り込み、分析技術の組み合わせにより、従来の手法では捉えることが難しかった音の特徴も検出できるという。
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