Appleは社名には言及しなかったものの、華やかな発表イベントの場を利用して、最大のライバルであるFacebookとGoogleに対する優位性をアピールしようとしていたようだ。
Appleは米国時間3月25日、カリフォルニア州クパチーノにある本社で待望のイベントを開催し、「Apple TV+」と呼ばれる動画ストリーミングサービスをはじめとする多数の新サービスを発表した。このサービスでは、Oprah WinfreyやJJ Abramsのほか、人気俳優のSteve CarellやJennifer Anistonが出演するプログラムも配信される。「Apple News+」と呼ばれる有料ニュースサービスでは、The Los Angeles TimesやNational Geographicのコンテンツが購読できる。AppleはGoldman Sachs、Mastercardとの提携の下、独自のクレジットカードまで披露した。
これらの発表を行った際、Appleはプライバシーに関する厳格な方針を何度も強調し、データ共有に反対する姿勢を繰り返し説明した。それらは確かにシリコンバレーの隣人、つまりFacebookとGoogleに対する少しだけ遠回しな批判に聞こえた。例えば、Apple News+を発表したとき、Appleは同社がユーザーの閲覧情報を把握できないこと、そして、広告主によるユーザーのトラッキング追跡を許可しないことを強調した。
Appleのアプリケーション担当バイスプレジデントのRoger Rosner氏はプレゼンテーションの中で、「Apple Newsでの閲覧情報がウェブ上でユーザーにつきまとうことはない」と述べた。視聴者が音量を下げていても、Rosner氏の言葉は伝わったはずである。発言内容が同氏の後ろに映し出されていたからだ。
その発言がFacebookとGoogleに対する批判であることは明白だ。このところ、両社は激しい詮索にさらされている。両社のビジネスモデルには、ユーザーから個人情報を収集して、マーケッターがターゲティングに利用できるようにすることが含まれるからだ。議員と一般の人々は両社のデータ収集慣行を激しく非難し、規制の必要性を提起している。
Appleの25日のプレゼンテーションについて、FacebookとGoogleにコメントを求めたが、回答は得られていない。
ここ数カ月の間にAppleがプライバシーへの取り組みを強調したり、ライバルを激しく批判したりしたのは、今回のイベントが初めてではない。Appleは1月のCES 2019に参加しなかったが、ホテルの建物の側面に「あなたの『iPhone』で起きることがあなたのiPhoneの外部に漏れることはない」と書かれた広告を掲げ、大きな話題になった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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