ノートPCやスマートフォンにはユーザーの姿をとらえられるカメラが搭載されているため、ユーザー認証手段として顔認証がよく利用される。指紋認証と違ってセンサーを意識せず使える点はメリットだが、写真や立体マスクなどで成りすましされる弱点が存在する。外見が瓜二つの双子を区別できない点も問題だ。
そこでAppleは、顔の表皮下に存在する血管パターンを顔認証に使う技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月14日に「VEIN MATCHING FOR DIFFICULT BIOMETRIC AUTHENTICATION CASES」(公開特許番号「US 2019/0080153 A1」)として公開された。出願日は2018年2月21日。
この特許は、カメラでユーザーの顔をとらえてユーザー認証する顔認証システムにおいて、顔の外見的な特徴に加え、表皮下にある血管パターンの特徴も認証用データとして使う技術を説明したもの。見た目では区別できないほど似ている一卵性双生児であっても、血管の形状は異なるため正しく識別できる可能性がある。
皮下の血管パターンを映像でとらえる手段として、赤外線を顔に照射して赤外線カメラで撮影するアイデアにも言及されている。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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