米大統領選に出馬表明した民主党上院議員Elizabeth Warren氏が、大手ハイテク企業を取り締まる動きに出ようとしている。Warren氏は米国時間3月8日、Amazon、Google、Facebookなどの大手ハイテク企業を分割する「大規模な組織改革」を提案した。
Warren氏はブログ記事の中で、「今日の大手ハイテク企業は、私たちの経済、社会、民主主義(に対してあまりにも大きな力)をもっている」と述べた。「彼らは、競争を強引に取り除き、私たちの個人情報を利用して利益を生み、競争の場をゆがめている。そしてその過程で、小規模企業に打撃を与え、イノベーションを抑えつけている」(Warren氏)
大手ハイテク企業は合併によって競争を吸収するとともに、独自のEコマースプラットフォームで商品を販売し、小規模な企業が成功する機会を奪っているとWarren氏は述べた。また、独占禁止法の執行力が弱いことも、ハイテク業界における競争とイノベーションの「劇的な縮小」につながったとしている。
Warren氏は、ハイテク業界で独占力の乱用を防ぐため、世界年間売上高が250億ドル以上の大規模なEコマースプラットフォームが、プラットフォーム自体とそこで商品を販売する業者の両方を保有することを禁止する法案の通過を提案した。より小規模な年間売上高が9000万ドル〜250億ドルのプラットフォームは、独自のプラットフォームで商品を販売できるが、公正競争の規則に従う必要があるという。
Warren氏は、大統領に就任すれば、ハイテク業界における違法で反競争的な買収を取り消すための機関を設けるとも述べている。AmazonによるWhole FoodsとZapposの買収、FacebookによるWhatsAppとInstagramの買収、GoogleによるWaze、Nest、DoubleClickの買収などだ。
FacebookとAmazonはコメントを控えた。Googleはコメントに応じていない。
Warren氏の提案どおりに事が運べば、大手ハイテク企業を取り巻く環境は根本から覆されることになる。
Warren氏は8日に、AmazonやGoogle、Facebookなどのハイテク企業を分割するべきだと提案した際、Appleを挙げていなかった。
同氏は9日にThe Vergeが公開したインタビュー記事の中で、Appleは「App Store」であまりにも高い競争上の優位性を得ていると感じると発言した。
またWarren氏は、AppleをApp Storeから分割するべきだとし、「プラットフォームを運営するか、ストアで運営するかのいずれか」一方でなければならず、「両方を同時に運営してはいけない」と述べている。
同氏は、「米国の歴史上、このような体制の解体が必要になったのは初めてのことではない」と述べ、19~20世紀初頭にかけて米国で独占的な支配力を有していた鉄道王にハイテク企業をなぞらえた。
米CNETはAppleにコメントを求めたが回答は得られていない。
Appleの時価総額は米企業で上位にある。1月には、2019会計年度第1四半期の売上高が前年同期比5%減の843億ドルだったと報告している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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