2月19~20日に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催された「CNET Japan Live 2019 新規事業の創り方--テクノロジが生み出すイノベーションの力」。ここでは、20日に行われたパネルディスカッション「“好きなこと”を貫き新ビジネスに挑戦し続ける猛者たち」の模様をお届けする。当編集長である別井貴志がモデレーターを務め、「好きなことを仕事にする」という、人生においてある意味理想の形を実現した3人を招き、“好きなこと”を仕事にする動機や覚悟、辛さや楽しみなどを議論した。
まずは、登壇した3人を紹介しよう。1人目は3つの好きを事業にしてしまったRABOのPresident & CEOである伊豫愉芸子(いよゆきこ)氏。大学時代にペンギンなどの海洋動物に小型センサーをつけて行動生態を調査する、動物行動学研究(バイオロギング)に携わっていたことから好きに。その後リクルートに入社し、新規プロダクトや新規事業の開発を行ったことから、ものづくりの楽しさを覚えたという。そして、もう1つの好きが20年ぐらい飼っている“猫様”の存在だ。
これら3つの好きなことから2018年2月22日に起業して制作したプロダクトが、飼い主の代わりに猫の生活をテクノロジで見守る猫専用の首輪型ウェアラブルデバイスとアプリ「Catlog」(キャトログ)だ。大学時代に培ったバイオロギング解析技術を応用し、機械学習で解析・分類。猫の様子を外出先からでもスマホで簡単にチェックできる。クラウドファンディングでは目標の30万円を大きく上回る457万円以上を獲得しており、スタートアップとしては幸先のよい出だしと言える。
2人目は12年間東芝のデザインセンターでPCやケータイ、UXなどのデザインを担当し、現在は東芝デジタルソリューションズでコミュニケーションAI「RECAIUS」(リカイアス)の営業企画を担当している衣斐秀聽(いびひでき)氏。彼は、大手企業である“メーカー”で働きながら、個人の作り手である“メイカー”の活動をしており、社内にメイカースペースを創りたいと考えている。
基本的には平日はメーカーで働き、週末はモノ作りをするサークル「つくるラボ」でメイカー活動をしている。オープンイノベーションが起きやすいメイカースペースの有用性を啓蒙し、つくるラボで年間30件ほどのハッカソンやコンテストに出場。2017年の1年間で22件を受賞している。
3人目は、「鉄道コム」の編集長松岡孝昌(まつおかたかあき)。CNET Japanと同じ朝日インタラクティブに在籍し、ITニュースを多く発信している中、趣味ジャンルに特化した媒体を展開している。
もともと、祖父が阪急電鉄の助役・運転士をしていた影響で、物心ついたころからずっと鉄道が好きという松岡。中学・高校のとき鉄道研究会を作り、中学生で鉄道コムの前身にあたる鉄道趣味ウェブサイトを公開。大学ではプログラミングを学び、新卒でヤフーに入社してエンジニアに。11年前に鉄道コムをシーネットネットワーククスジャパン(現・朝日インタラクティブ)に譲渡して今に至っている。
月間ページビューは1000万あり、編集コンテンツやユーザー投稿コンテンツ、運行状況などのリンクコンテンツのほか、AIによる遅延予報なども行なっていて、2019年は創設20周年イヤーとなる。
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