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NTTドコモ、運営側と起業側が共存して取り組む新規事業創出プログラム「39works」

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 2月19~20日に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催された「CNET Japan Live 2019 新規事業の創り方--テクノロジが生み出すイノベーションの力」。ビジネスが成長していくには、いかにイノベーションや新規事業を創出していけるかが鍵を握る。しかし、創出しても軌道に乗せるのはなかなか至難の業だ。そこで、実際に取り組んでいる企業の人や起業者たちの生の声が聞ける各種公演が行われた。

 ここでは、NTTドコモの新規事業創出プログラム「39works」の活動内容と、雑談対話サービス「かたらい」がこのプログラムによってどのようにして生まれたのかを紹介する。「企業の新規事業創出プログラムの『運営者』と支援される『社内起業家』が考える企業内起業について」と題して、運営側と起業側それぞれの声を聞いた。

事業化の成功と社員の育成をサポートする39works

 登壇したイノベーション統括部 グロース・デザイン担当部長の笹原優子氏は、R&Dイノベーション本部で主催している新規事業創出プログラム、39worksを運営している。2014年7月にスタートしたこのプログラムは、「未来の“あたりまえ”を創りたい」をスローガンに、社外パートナーとプロジェクト体制を組み、一体となって企画から開発、運用、保守までを一貫して実施。小さいアイデアから早くスタートさせ、ハイリスク、ハイリターンの仮説を数多く立てて検証、分析することを繰り返して実行。マーケットに問いながら、ビジネスを育んでいく取り組みをしている。

NTTドコモ イノベーション統括部 グロース・デザイン担当部長の笹原優子氏
NTTドコモ イノベーション統括部 グロース・デザイン担当部長の笹原優子氏

 プログラムに参加すると、半年から一年でどこまで行くのか目標を決め、達成すればドコモ内で新規事業化したり、子会社化するなどの本格事業化を検討。しかし、未達である場合は早めに終了させている。新規事業はスタートするとなかなか短期間で終わらせにくいが、スッパリと終わらせることで、終了した理由がノウハウとなるとしている。また、失敗した理由や振り返りを「FailCon」というイベントでリーダーに発表させ、人気コンテンツにもなっている。

KPIに達しなければ即終了し、終了した理由もノウハウとして共有
KPIに達しなければ即終了し、終了した理由もノウハウとして共有

 本格事業化までのプロセスは、アイデア創出から課題発見、解決策検証、収益性確認、事業成長と進んでいくが、現在は進んでいく課程でチェックポイントを3つ設けている。プログラム開始当初は、収益性を確認する実証実験のタイミングしか判断するチェックポイントがなく、社内からアイデアが出されたら、一気にビジネス化から始まる流れ。事業化を手がけたことのないメンバーにとってはハードルが高いものだった。

事業化までのプロセスとフェーズ
事業化までのプロセスとフェーズ

 このため、アイデアがなかなか出なくなったため、アイデアからユーザー課題の確認と顧客候補を発見するフェーズ1。そしてアーリーアダプターに提供して受容性を確認するフェーズ2を新たに設けた。事業の成功も重要だが、社員の育成にも重点を置いてサポートプログラムを運営することで、自発的なアイデアが出やすい環境にする努力をしている。

 プログラムの運営側として努めているポイントは3つある。1つはビジネスの成長を設計すること。社外起業家を招いてメンタリングを行う場を設けたり、事業戦略やKPI/撤退基準の設計支援、営業やマーケティングの支援、チーム体制の構築や社内調整などの開発支援などを、社内起業家のスキルに合わせて行っている。

Growth(成長)させるための3つの支援
Growth(成長)させるための3つの支援

 2つめがデザインでより良い体験を創ること。フェーズごとに支援しており、アイデア創出フェーズでは、アイデアを可視化させることで、共通の認識が持てるようにしたり、仮説確認・受容性確認フェーズでは、コンセプトイメージの作成やプロトタイプのデザインを支援。PMF/Growthフェーズでは、ブランディングやマーケティングを支援している。

 3つめは人が“沸々”と思える場を提供すること。社内の起業家に講演してもらったり、勉強会を開いたりといった人材発掘や育成、ネットワーキングに力を入れている。

 ドコモでは、チャレンジできる枠組みは2つあり、先述の39worksは、R&Dの社員はいつでも応募でき、すでに事業アイデアがある層はこちらに挑戦。もう1つは、すべてのドコモグループ社員が年1回応募できるLAUNCH CHALLENGEの開催。新規事業にトライしたい人を対象に、人事部と共同開催して課題発見から解決策検証の途中までをサポートして、ブラッシュアップさせていく。

NTTドコモの新規事業にチャレンジする枠組みは2つ
NTTドコモの新規事業にチャレンジする枠組みは2つ

 こうしたイベントを開催することで、社内のカルチャーを含めて活気が出てきているという。いきなり外へ行って仮説を検証しろというのはハードルが高いため、そのあたりをサポートして一度経験を積めば、次からはやりやすくなる。社員を成長させることが運営側の仕事だ。

39worksから生まれたプロダクトたち
39worksから生まれたプロダクトたち

 39worksを4年半運営してきて、実際に事業化されたのは、スマートパーキングシステムの「Peasy」やダンボールと簡単な電子回路でロボットを組み立て、プログラミングする「embot」、個人投資家向けの自己管理支援サービス「myTrade」、建設業向けのソリューション「L’OCZHIT」など。各プロダクトの紹介についてはサイトから確認できる。

 笹原氏は「39worksの行動指針としてエベレスト『ヒャッホー!』を掲げています。運営側も楽しまないとより高みに登れないので、高い山にも楽しんで登ろうという意味で付けました。決して低い山(目標)に息切れして登らないという気持ちで取り組んでいます」と語った。

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