「モモは死んだ」--「モモチャレンジ」のデマに利用された作品、作者が廃棄

Gael Fashingbauer Cooper (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年03月05日 09時09分

 YouTubeは先週、子どもや若者に自らを傷つけるよう指示する「モモチャレンジ」と呼ばれるゲームに関して、同社のサイトではこのゲームを推進する動画の存在を示すものは見つからなかったと発表した。これを受けて、この話題が頻繁にニュースの見出しを飾った。

 このゲームに関するデマの話題が記事になる際には、飛び出した目と大きな口を持つ、不気味な黒髪の生物の写真が一緒に掲載されるのが常だった。しかし、この造形物を製作した造形作家は、この作品を廃棄していたことが明らかになった。

 この作品を作った日本の造形作家である相蘇敬介氏は、英国のタブロイド紙The Sunに対して、この作品を廃棄したと語った

 相蘇氏はThe Sunに対して、「モモはもう死んだので、子どもたちは安心してほしい」と語った。「彼女はもう存在しておらず、呪いもなくなった」

 これは「姑獲鳥(うぶめ)」と呼ばれる作品だ。この裸の生き物は、人間に似た頭と鳥のような足を持ち、胴体は小さい。額には黒い前髪がまばらにかかり、大きな丸い目と口、低い鼻を持つ。この作品は2016年に製作され、東京にあるヴァニラ画廊の企画で展示された

 相蘇氏はThe Sunの取材に対し、この作品は日本の妖怪「姑獲鳥」にヒントを得たものだと述べている。姑獲鳥は亡くなった妊婦が妖怪となって現れたものだという。

 この作品の部品で現在も残っているのは目玉1つだけで、同氏はこの目玉を別の作品で再利用しようと考えているという。

 相蘇氏は「(作品は)もう存在していない。元々、長く取っておく予定ではなかった」と取材に答えている。「作品は腐ってしまったので廃棄した」

 デマであったことが明らかになった「モモチャレンジ」は、2018年にメッセージングアプリ「WhatsApp」から始まったとされ、最近では英国で、YouTubeの子ども向け動画に隠された形で再び登場したとして、警察などが警告していると報じられた。このモモチャレンジでは、相蘇氏の作品が「モモ」と名付けられたキャラクターとして表示され、子どもに一連の命令を与え、その命令には自分や他人を傷つける内容も含まれていたとされていた。

 英国の警察学校はモモチャレンジに関する警告を発したが、YouTubeは上述の通り、動画にそのような命令が隠されていた痕跡はないと主張している。

 相蘇氏は、このキャラクターを恐ろしいものにする意図はあったが、誰かを傷つけるために使われるべきではないと述べた。

 「これは産褥で死んだ女性の妖怪であり、ある意味では子どもを怖がらせる存在だが、このような形で利用されるために作ったわけではない」と同氏は述べている。「この作品は子どもに害を与えたり、怪我を負わせたりするためのものではない」

 同氏はまた、この作品を廃棄した際には、すでに腐っていたため「さらに恐ろしい外見だった」と述べているほか、同氏がモモチャレンジに何らかの形で関与していると考えた人々から脅迫メッセージを受け取ったこともあると明かしている。

 「この作品がなくなったことに後悔はない」(同氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]