フィットネスバンド「Microsoft Band」の第3のバージョンについて、筆者は2016年の時点で、販売される計画がなさそうだと想定していた。その際同社の関係者は、「Health」プラットフォームに関する取り組みは続行すると述べていた。Microsoftは今回、その分野からも撤退することを認めたようだ。
Microsoftは米国時間3月1日、Bandおよび「Health Dashboard」製品群のユーザーに、Health Dashboard向けアプリおよびサービスのサポートを終了することを電子メールで通知した。2019年5月31日をもって、MicrosoftはHealth Dashboardサイトを閉鎖し、「Microsoft Store」「Google Play」およびAppleの「App Store」からMicrosoft Band向けアプリを削除する予定だ。
Microsoftは2016年9月、「iOS」「Android」「Windows Phone」向けフィットネスアプリの名称を、「Health」からBandに変更して混乱を招いた。当時、フィットネスウェアラブル分野におけるMicrosoftの計画は、Healthサービスと関連アプリの事業に全力を注ぐことだった。
Microsoft Health DashboardのFAQでは、「2019年5月31日以降、Microsoft Bandデバイスユーザーは引き続きデバイスを使用できるが、ウェブ接続機能は利用できなくなる」と記されている。Microsoftは5月31日まで、データをエクスポートしたいMicrosoft Bandユーザー向けにツールを提供する(Health Dashaboardのデータを削除することも可能だ)。Health Dashboardの全てのデータは2019年5月31日に削除される。
Microsoft Bandユーザーは5月31日以降も、日々のヘルス関連情報を記録し追跡することは可能だ。ただし、Healthサービスが終了したのちにBandをリセットすると、再設定はできなくなる。
Microsoftは先のFAQページで、「特定のBandユーザー」に返金のオプションを案内している。これに該当するのは、「Limited Warranty」の対象となるBandの所有者か、2018年12月1日から2019年3月1日までの期間にBandを使用してHealth Dashboardと同期させた「Active User」だ。該当するユーザーへの返金額は、初代「Band」が79.99ドル(約9000円)、「Band 2」が175ドル(約1万9600円)で、8月30日までに返金される予定だ。
つまり、Band関連はこれでおしまいだろうと推測される。Microsoftの関係者はこれまでBand 3の計画がないとは決して認めなかったものの、あらゆる状況はこうなることを示唆していた。Bandに対応するヘルス関連アプリおよびサービスが終わるということは、Microsoftがフィットネスバンド市場から撤退することとほぼ同義だろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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