USEN-NEXT GROUPのUSENが、音楽配信以外の小売店、飲食店のサポートサービスを続々と開始している。手軽に店内のWi-Fi環境を構築できる「USEN SPOT」を提供するほか、「USENでんき」「USENガス」もリリース。ワンストップで店舗運営をサポートできる環境を整える。
なかでも、市場で急速にシェアを拡大しつつあるのが有料のタブレットPOSレジの「Uレジ」だ。2018年にはリクルートライフスタイルと業務提携し、競合である「Airレジ」や「Airレジ ハンディ」などの取り扱いも開始した。
従来のPOSに比べ、導入コストの低さや多機能さが注目されるタブレットPOSレジだが、人手不足に頭を悩ます飲食店では、業務効率化による労働力不足の解消にも期待が寄せられている。タブレット型のPOSレジやハンディ端末の導入によって、小売店、飲食店の業務改善はどのように進められているのか、USEN ITソリューション事業部事業部長の伊藤直嗣氏に話を聞いた。
USENがタブレット型POSレジの取り扱いを開始したのは、2015年。音楽配信サービス「USEN」を提供する店舗向けに展開したのが始まりだ。「開業前の店舗オーナーはとにかく忙しい。タブレットPOSレジを導入するのにも、回線が必要になるが、USENであれば、回線の申込みとタブレットPOSレジの導入を一手に引き受けられる。他にも飲食店をオープンする際に必要なBGM、いわゆる音楽配信やカメラなどの設備をワンストップに提供することで、店舗を支援したいと考えた」とUSENの強みを話す。
音楽配信サービスは、オープンの1~2週間前に問い合わせが来ることもあり、開業に必要なツールのいわば最終確認事項の1つ。しかしレジは、さらに前倒した4~6週間前には問い合わせがあり、早い時期に店舗オーナーにリーチできることも特徴だ。
USENでは、タブレットPOSレジと同様に、飲食店向けのオーダーシステムであるハンディ端末も取り扱う。従来の紙伝票とPOSレジの組み合わせに比べると、オーダーを取って、メニューをテーブルに届けるまでの時間の大幅な短縮につながる。「紙伝票であれば、スタッフが厨房に戻るまでオーダーは届かないが、ハンディであれば、注文を取り終わると同時にオーダーを厨房に流せる。厨房に戻る前にほかのお客さまのオーダーを取って、注文が遅れてしまうといった不公平さもない」とスマートな使い勝手を説く。こうした状況はあくまで一例になるがスタッフの業務効率化と同様に大きな意味を持つのが、スタッフへの教育時間の短縮だ。
伊藤氏は「例えば、焼酎であれば、いくつも銘柄を用意している店舗もあるし、水割り、ソーダ割り、ロックなど飲み方もさまざま。新入りのスタッフはいちいち種類や飲み方を確認しなければならず、無駄な時間が生じてしまう。ハンディ端末を使えば焼酎を選ぶと次に銘柄、飲み方などが出てくるため、ハンディーのメニューを選んでいくだけで注文が完了する。注文が取れるまでに必要だったメニューを正確に覚える時間を短縮できる」と利点を話す。
レジに関しても同様だ。紙伝票では注文を再度レジに打ち直す必要があったが、ハンディ端末であれば、そのまま会計情報が出てくる。「レジを打てるスタッフに来てもらうまでに待たされる」といった来店客のストレス解消にもつながる。「飲食店のオーナーが頭を悩ませる1つがアルバイトの方のシフト。レジ打ちできるスタッフを常駐させなければならないが、人数が限られている。ハンディを使えば会計ミスを抑止でき、スタッフ誰もがレジ打ちできるため、シフトが組みやすくなる」と、ハンディの導入は、飲食店のシフト問題の解決にも効果的だ。
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