「Uレジ」が飲食店にもたらす業務効率化--USEN、音楽配信の基盤生かした全面サポート - (page 2)

納品後の継続的な顧客フォローで見えてくること

 しかし、タブレットPOSレジとハンディ端末の導入には、「難しい」「使い方がわからない」といった声も多い。USENでは、初期設定、設置を引き受けるほか、「駆けつけサービス」「24時間サポート」といった独自の手厚いサポート体制を標準で装備。加えて納品後2、4、12、24カ月目を目安に営業が店舗を訪れる継続的なフォローを、一部地域からトライアルで実施している。

 「納品時に使い方のトレーニングはもちろん実施しているが、開業前や改装前の忙しいタイミングになるケースが多く『とりあえず使える』ようになることが大前提。詳細な機能までをお伝えすることは難しい」と現状を話す。しかし2カ月目に訪れると1カ月分の売上が記録されており、ここでオーダーキャンセルや赤伝票の発行を記録し、確認できる「監査レポート」機能などを紹介。「それを見せることによってオーナーの方に、売上管理機能にとても興味を持ってもらえる。Uレジには、どのスタッフがどれだけオーダーを取っているかも可視化できるので、スタッフの評価基準としても使える」など、店舗経営を下支えする機能も数多く持つ。

 「4カ月目に伺うと、不満を持っているオーナーの方が多く、これは最低限のオペレーションしかお伝えしていなかったから起こること。必要だと感じられたこのタイミングで細かな機能や設定をご紹介することで、さらに使いこなしていただける」と分析する。12カ月目は、3カ月に一度の割合で実施しているアプリのアップデート情報を伝え、新機能を提案。24カ月目には売上情報を細かく分析した内容を伝えにいくという。

 Uレジでは、管理画面でABC分析などのレポートを出せる機能を持つが、その結果を見て、次のアクションにうまくつなげられない店舗オーナーも多い。そこで、トライアルでレポートをもとにした売上分析などの相談も受けられるようにしているという。そのため営業チームのスタッフは経営分析に必要な最低限の知識習得を目指している。「経営コンサルティングの入り口のさらに入り口のような状態だが、将来的には経営支援ができるようになりたい。単なるPOSレジの営業だけではなく、経営の相談にも乗れることが目標」と今後を見据える。

 納品後のサポートをスタートしてから現在で約1年半が経過。当初は「今ごろ何をしに」と聞かれることも多かったというが、「そういうリアクションをとられたオーナーの方にこそ積極的に伺うようにしている」体制で臨む。こうした手厚いサポートが功を奏してか、現在、解約のほとんどが閉店によるもので、高い継続率を維持している。

業態に応じ最適なシステムを提案、最適な店舗支援で満足度を高める

 現場へのサポートはさらに密に取り組む。Uレジには飲食向けの「FOOD」、小売店向けの「STORE」、ビューティサロン向けの「BEAUTY」、整体院向けの「HEALTHCARE」と、業態別に4つのレジアプリを運用。「専用のPOSレジアプリを作ることで、使いやすさを徹底的に追求している。例えば小売店は在庫管理画面が必須だが、飲食店にはあまり必要がない。一方、サロン向けには予約管理画面が業務上、常に必要になる。業態に合わせて専用アプリを提供することで各々の満足度をあげられることがこだわり」と言い切る。

 飲食店向けに重視するのは、初期設定のメニュー登録だ。「飲食店ではメニューのマスター登録が肝。ここをきちんとやっておかないと使いづらいシステムになってしまう。USENでは、カテゴリ別に4階層構造になっており、メニュー名、オプションなどを選んでいくことで注文を確定できる仕組み。このマスター登録も、導入時にUSENのスタッフが担当しており、なかには職人芸的に使いやすく、美しく仕上げるスタッフもいる」という。

 納品前後のサポートを徹底するほか、緊急時のフォロー体制も整えるこれは、全国に約150拠点の営業所を持ち、各営業所に技術者を配置しているからこそできるサービスで、音楽配信事業で築いたスキームをそのまま活用。24時間電話サポートについても、同様の仕組みを横展開している。

 10月1日の消費増税と軽減税率制度の導入に合わせ、POSレジはまさに需要期。「現時点だと、対応済みのレジを持つ店舗が約50%で、残りの50%が未対応。9月までに対応すれば良いと考えている店舗オーナーも多い。しかし一気に買い替え対応することは難しく、商工会議所などと組み、デモ機を展示するなど啓蒙を進めている」状態だという。

 需要期を目の前に控えながら、伊藤氏は「このタイミングでタブレット型のPOSレジにすべてを切り替えようとは思っていない。最適な形をご提案してこそ使いやすいレジになる」と口にする。USENではタブレット型のPOSレジのほか、いわゆるガチャレジも取り扱う。「例えば、カウンター形式の店舗であればタブレット型のPOSレジよりも券売機のほうが業務効率をあげられる場合もある。そういう時は迷わず券売機をご案内する。業態にあった最適なレジをご案内することで、ご満足いただけ、長いお付き合いができる。最新のものではなく、最適なものをお届けしたほうがお客様の満足度は高い。私たちの最大のミッションは顧客価値の最大化。その支援をあらゆる方面からしていきたい」と自らの役割を話した。

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