Facebookは不快なコンテンツを監視する取り組みを強化しているが、その一方で、同サイトのヘイトスピーチや暴力、ポルノなどのコンテンツを調査する請負業者のメンタルヘルスに対する懸念も高まっている。
Facebookは米国時間2月25日、そうした作業をAccentureやCognizantなどの企業にアウトソーシングしていることについて弁明したが、請負業者の状況を改善する余地があることを認めた。報道によると、請負業者には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に似た症状に苦しんでいる従業員もいるという。
Facebookのグローバルオペレーションズ担当バイスプレジデントのJustin Osofsky氏は、先週末にまず従業員と共有された後で公開された投稿の中で、「最近の質問の多くは、これらの業務を担う人々が公正かつ敬意を持って処遇されるようにすることに焦点が当てられている。引き続き、コンテンツレビュアーやパートナーだけでなく、メディアの意見も聞いていきたい。メディアは当社の責任を追及し、改善の機会を与えてくれる」と述べた。
Facebookの業務を請け負うCognizantの従業員が自殺や暴力などのコンテンツを精査する作業によるストレスに対処するため、職場で性行為や麻薬に興じたり、悪い冗談を言ったりするようになったと、The Vergeが報じていた。Facebookのコメントは、その報道を受けたものだ。自分が確認した動画中の陰謀論を信じるようになった従業員もいるとされる。この報道によると、Cognizantの従業員の年収は約2万8800ドル(約320万円)だという。
ある元従業員はThe Vergeに対し、2001年9月11日に発生した米国同時多発テロはテロ攻撃ではなかったとする多数の動画を閲覧した後、陰謀論を信じるようになったと語っている。
Cognizantの広報担当者は、オンサイトのカウンセラーやウェルネスプログラムなどのツールを通して、従業員にサポートを提供しているとコメントした。
Facebookはブログ記事で、これらの懸念に対処するための措置を講じていることを伝え、従業員を安心させようとしている。
Facebookによると、同社には明確な契約、職場の状況を監視するための定期的な現場訪問、人材派遣会社とのビジネスレビュー(従業員の健康支援のための施策を含む)などの仕組みがあるという。
さらに、Facebookは取引先企業を監査するほか、契約を標準化し、パートナー各社が集まるイベントを主催する予定だという。
請負業者は雇用主の人事部に、または匿名の内部告発ホットラインを通してFacebookに懸念を伝えることもできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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