若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリを運営するテスティーと、CNET Japanが共同で現代の若者たちの実態に迫る同連載。第14回目は20代の男女1089名(男性513名、女性576名)を対象に、「キャッシュレス化」に関する調査を実施した。現状の決済利用とキャッシュレス化に対する若年層の意識を解明していく。アンケート調査日は2月8日。
はじめに、20代の男女1089名を対象に決済に関して調査を実施した。直近1年以内に現金以外で利用した決済方法を尋ねたところ、男女ともに最も多かったのは「クレジットカード」となり、男性で56.9%、女性で65.1%となった。次いで、男性では「電子マネー」「スマートフォン」、女性では「電子マネー」「商品券」となった。続々と増えているQRコード決済を含む「スマートフォン」での決済の利用者は男女ともに約2割となった。
次に、「現金で支払いをしたいと感じる場所」を尋ねたところ、男女ともに最も多かったのは「コンビニ」、次いで「スーパー・食料品店」「飲食店(カフェやランチ利用時)」となり、小額決済の場合は現金で支払いたいと考えている人が多いことが伺える。
そこで、直近1年以内に「現金・クレジットカード・電子マネー」の中でいずれかの支払い方法を利用した人を対象に、各方法で決済したいと思う価格帯を尋ねた。
すると「現金で支払いたいと思う金額」は「1000円〜5000円未満」が最も多く、男性で30.6%、女性で34.4%となった。「クレジットカードで支払いたい」と思う金額は男女ともに「1〜3万円未満」が最も多いことがわかった。現金決済よりも高額な場合にクレジットカードでの支払いを選択している様子が伺える。また、男性の27.7%、女性の25.9%は「金額は関係ない」と回答していることから、およそ3割の若年層はクレジットカード決済を金額問わず利用していると言えそうだ。
「電子マネーで支払いたいと思う金額」は「1000円未満」と回答した人が男女ともに最も多く、男性で34.0%、女性で48.4%となった。交通機関が発行している電子マネーカードが主に使われていると考えると、電車やバスなどの交通機関での利用やチャージの上限金額、1回あたりの利用上限金額があることから、少額の決済に使うことが多いのだろう。
続いて、キャッシュレスに関する調査を行った。スマートフォンを利用した決済や非接触カード型の決済など様々なサービスが登場した中で、「利用したことのある現金以外の決済サービス」を尋ねたところ、「電子マネー」が最も利用されていることがわかった。
スマートフォンを利用したバーコードやQRコード決済ができるサービスにおいては、女性に比べて男性の利用率が高い傾向にあり、女性はカード型のクレジット機能が付帯しているサービスの利用率が高い傾向にあった。
そして、キャッシュレス化に関する意識について尋ねたところ、「(キャッシュレス化が)普及してほしい」と回答した人は男性で61.8%、女性で46.4%となった。
「(キャッシュレス化が)普及してほしい」と回答した人にその理由を尋ねたところ、
など、管理のしやすさや支払いのスマート化、ポイント還元をメリットに感じているという声が挙がった。
一方、「(キャッシュレス化が)普及してほしくない」と回答した人も、全体では46%(男性38.2%、女性53.6%)いるが、その理由については、
など、セキュリティ面での不安や災害時のアクセスなどに不安を持っているという意見が挙がった。
最後に「どのようにしたらキャッシュレス化が進むと思うか」について尋ねた。
最も多かった回答は、男性では「キャッシュレス決済可の店舗が増える」で51.7%、女性では「ポイントや割引などの特典がある」で52.6%となった。「その他」と回答した人からは
と、災害や高齢化社会、経済格差による不安を解消できればキャッシュレス化は進むのではないかという意見が挙がった。
キャッシュレス化はインバウンド需要も含め、国を挙げて普及が進められている。若年層の間でも利便性は支持されているものの、不安要素が払拭されていないことから、キャッシュレスの一本化にはまだ抵抗を感じている様子が伺える結果となった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」