定額制で全国どこでも住み放題の多拠点co-living(コリビング)サービス「ADDress」を展開するアドレスが、本格始動した。2月18日、戦略発表会を開き4月に提供を開始するサービスの詳細を説明したほか、ADDress社会圏パートナーの紹介や地方自治体の連携などについて紹介した。
ADDressは、シェアハウスとコワーキングスペースを融合させたコリビングサービス。月額4万円~の低価格で、個室を確保しつつも、シェアハウスのようにリビング、キッチンなどを共有でき、月額料金には、光熱費、Wi-Fi、共有の家具やアメニティの利用、共有スペースの清掃も含まれる。12月のサービス発表時に30人の会員を募集したところ、1000人を超える応募があり、サービス開始時は5拠点としていた登録拠点も、現時点で11拠点を数える。
アドレス 代表取締役社長の佐別当隆志氏は「地域の人と交流ができる暮らしを体験できる環境を整えたい。少子高齢化で人口が減る中、都心と地方を行ったり来たり連携できる社会を作りたい」とADDressの立ち位置を話す。
利用するには、会員登録が必要。現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」で、初期メンバーの募集を中心としたリターンを用意したプロジェクトを実施している。旅館やホテル、民泊などとは異なり、利用者は事前に公的書類などの本人確認が必要。ドミトリータイプの固定ベッドを年間契約でき、住民票の登録にも対応する。
年会員は48万円(月額:4万円)で、月5万円の月会員も用意。1個室の連続予約は1週間までで、一度にできる予約の上限日数は14日間になる。同日には新たに月8万円の法人会員も発表。すでにトライアル利用も含め、ガイアックス、CAMPFIRE、認定NPO法人フローレンス、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス、リクルート住まいカンパニーなどが第1弾として申し込み済みだ。
ADDress拠点は、千葉県南房総市、神奈川県鎌倉市、福井県三方郡美浜町など、11拠点が4月のオープンを予定。別荘や民泊として貸し出しているうちの1室など、形態はさまざまだが、「家守り(やもり)」と呼ばれる管理者が、利用者と地域住民のパイプ役を果たすことで、地元に密着した生活を体験できることが特徴。東京都渋谷区、品川区にも拠点を構える計画で「地方の人が東京に来た時にも泊まれる」環境の整備も進める。
ADDress社会圏パートナーは、ADDress物件にアメニティグッズや家具などを提供する企業パートナー。現在、松山油脂、Koala Sleep Japan、VUILDの3社が名を連ねる。また、泊まり放題パートナーとして、一般社団法人ハンモサーフィン協会、Little Japanとも提携しており、それぞれの拠点とADDress拠点をあわせて、泊まり放題になるサービスも、月額4万5000円~用意する。
今後の物件調達に関しては、オーナーを広く募っていくほか、アドレス自身がオーナーとなり物件を運営するケースも出てくる予定。カチタス、NPO法人離島経済新聞、R不動産らが物件調達パートナーに加わっており、空き家等の物件情報の提供や空き家等の物件情報の提供、関係人口の増加に繋がる取り組みの推進などを実践していく。
同日には、滋賀県大津市との提携にも調印するなど、アライアンスは積極的に進める方針。このほか、空席、空リソースを活用し、多拠点生活、シェアエコツーリズムの推進を目指し、ANAホールディングスをモビリティパートナーに迎えたほか、連携シェアサービスとして、スペースマーケット、akippa、AsMama、TABICA、REALBBQ、みまもりあいプロジェクト、MIDORI.soとの連携も表明している。
2月13日には、エンジェル投資家を中心とする第三者割当増資により、資金調達も実施。登録拠点ならどこでも住み放題になる、サブスクリプション型の多拠点居住のシェアサービスの普及を目指す。
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