レノボ・ジャパンは2月12日、オンライン会議システム「ThinkSmart Hub 700」を発表した。3月から出荷開始の予定。価格は39万9000円(税別)で、1年間のソフト利用ライセンス権が付属。2年目以降は別途利用権の更新が必要で、現状の価格は未定となっているものの、5000円程度を想定しているという。
ThinkSmart Hub 700は、ハドルルームと言われる、4~6名程度の小規模会議室向けのオンライン会議システムで、レノボグローバルの研究機関である大和研究所が開発・製品化したもの。Zoom Video CommunicationsやSkype for Businessといった複数のUC(ユニファイド・コミュニケーション)プラットフォームに対応している。
山をイメージさせる円形の本体デザインが特徴。上部にはホイール型の操作用タッチリングが搭載されており、どの位置からでも同じように直感的な操作がしやすくなっている。Dolby Audio Speaker Systemに対応した大型スピーカーと4つのマイクを搭載するなど、音質にもこだわったことで、遠隔地との良質で効率的なコミュニケーションを実現するとうたう。さらに本体には360度周囲に向けた人感センサーを搭載。これを活用し、会議室利用状況を計測するレポート機能を備え、会議室の有効利用や業務の改善に役立てることもできるという。
利用者のPCやAndroid搭載スマートフォンに「スマートオフィスクライアント」というソフトをインストールすることで、コンテンツ画面を共有できる。会議などでクライアントデバイスを持ち寄った際、ThinkSmart Hub 700のスピーカーから発する超音波をキャッチすることで、ユーザーはIDなどの文字列を入力することなく、ワンタップで会議に参加。画面も用意に共有できるという。
同日に行われた説明会において登壇した、レノボ・ジャパン コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 プロダクトマネージャーの元嶋亮太氏は、同社があわせて実施テレワークの制度やシステムの利用に関する実態調査の結果をもとに、製品開発の背景を説明。
企業において、オンライン会議が導入済みであるにもかかわらず、それを活用できていない人は全体で35.8%に上ると指摘。また、オンライン会議に対する不満や問題点として「設定や操作が複雑でわかりにくい」「コンテンツが共有しにくい」「音声がクリアでない」が挙げられるという。このほか、オンライン会議の開始が日常的に5分以上遅れていいる人の割合が67%とし、そのうち20%程度は6~11分以上と回答したとしている。そして、こうした利用者の課題解決を第一に考えて設計したのが、ThinkSmart Hub 700という。
いわゆるベアリングにはBluetoothではなく、前述した超音波を使用していることについて、会議室の外にまで反応してしまうことを防ぐために、超音波を採用したと説明する。
実際に製品の開発を手掛けたレノボ・ジャパン 大和研究所 エンタープライズ・ソリューション開発を務める熊木淳氏は、音質の面で従来のノートPCとは違う“いい音”へのアプローチに苦心したことを触れつつ、さまざまな工夫も凝らしたことを語った。そしてレノボ・ジャパン 代表取締役社長のデビット・ベネット氏は、日本でも働き方改革は進んでいるものの、テレワーク制度があるにも関わらず活用できていない人が約半数いるなどの課題に触れ、この製品で日本の働き方改革の促進につなげていきたいとした。
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