Audiは、水上を浮上して移動可能な、電動の水中翼(ハイドロフォイル)付きボード「Audi e-foil」を発表した。同社のエンジニアが趣味で製作していたのだが、試験的に数量限定生産して販売する方向で調整中。
このエンジニア、Franz Hofmann氏が趣味としていたのは、水上でサーフボードやボディボードのようなボードに乗り、風の力で揚げた凧(たこ)に引っ張ってもらうことで移動する、カイトサーフィンというスポーツだ。カイトサーフィン用のボードはカイトボードと呼ばれ、底面が比較的平らなタイプ以外に、底面に取り付けられた棒(マスト)に水中翼が取り付けられたフォイルボードと呼ばれるものが存在する。
フォイルボードは、ある程度以上の速度になると揚力でボードが水から出て、まるで水上を飛んでいるように移動できる。そして、移動時に水から抵抗を受けるボード本体が水上へ出るため、フォイルボードはスムーズな高速移動が可能だ。水中翼船やヨットのフォイル艇など、同様のメリットを期待した船はほかにもある。
そもそもHofmann氏は純粋に趣味で電動フォイルボードを楽しんでおり、販売など考えていなかったという。しかし、Audiの同僚らに見せたところ高く評価され、製品化プロジェクトが動き出したそうだ。
Audi e-foilのマストは長さが1mあり、水中翼も含めカーボンファイバーで作られる。バッテリをフル充電すると、30km以上の移動が可能という。移動速度がおよそ時速17kmで水面から浮き、最大時速45kmで移動できるとしている。
乗りこなすのは難しいように見えるが、Hofmann氏は「2日ほど練習すれば、アマチュアのサーファーでも水の上を飛べるようになる。ジムにあるバランスボードの上に立つよりも簡単」と話した。
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