アップル、音波式のディスプレイ内指紋センサーで特許取得--全面で認証可能

 スマートフォンのロック解除手段として、指紋認証を採用しているものは多い。しかし、指紋センサーに指を触れさせる必要があるため、スマートフォンの置き方や持ち方によっては使いにくい。最近は画面に触れて指紋認証できる機種もあるが、認証可能なエリアが限られる点は、既存技術と同様だ。

 これに対しAppleは、音波を使って画面のどこででも指紋認証できる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2月5日に「ACOUSTIC PULSE CODING FOR IMAGING OF INPUT SURFACES」(特許番号「US 10,198,610 B1」)として登録された。出願日は2016年9月23日。

登録されたAppleの特許(出典:USPTO)
登録されたAppleの特許(出典:USPTO)

 この特許で説明しているアイデアは、スマートフォンの画面のような平らな面を持つデバイスにおいて、音波の反射を利用して表面に押し当てられた物体の2次元画像を取得する技術。表面の周囲にトランスデューサーを配置し、そこからパルス状の音波を発生させ、物体に当たって戻ってきた信号を解析することで画像を得る。

 そして、第2クレーム(請求項)で指紋画像の取得が可能としている。このような仕組みで指紋の情報を取得すれば、画面のどこに指をあてても指紋認証できるスマートフォンやタブレットが実現可能だ。

音波の反射で指紋画像を取得(出典:USPTO)
音波の反射で指紋画像を取得(出典:USPTO)

 トランスデューサーの種類としては、超音波を発生させるデバイスが考えられる。また、圧電素子の使用もクレームで言及されている。

 なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。

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