東京女子医科大学やデンソーら、スマート治療室開発で「厚生労働大臣賞」

 東京女子医科大学とデンソー、日立製作所は2月5日、日本医療研究開発機構(AMED)プロジェクトのもとで連携して行ったスマート治療室の研究・開発(医療のIoT化を実現するスマート治療室「SCOT」の開発)について、内閣府の実施した「第1回日本オープンイノベーション大賞」で厚生労働大臣賞を受賞したと発表した。

 日本オープンイノベーション大賞は、日本のオープンイノベーションを推進するため、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組を表彰するために新設された。

 イノベーションの創出を巡る国際的な競争が激化する中で、研究開発などの成果を迅速に社会実装し、社会的ニーズの解決や新たな価値の創造につなげるには組織の壁を超えて知識や技術・経営資源を組み合わせて新しい取組を推進するオープンイノベーションが重要視されている。


 従来の手術室の役割は滅菌環境の提供であり、多数の機器はスタンドアロンで運用されていた。治療効果向上とリスク低減を両立するため、治療空間自体が一体のシステムとなっているスマート治療室「SCOT」を開発した。

 AMED支援のもと、5大学11企業(東京女子医科大学、広島大学、信州大学、東北大学、鳥取大学、デンソー、日立製作所、日本光電、ミズホ、パイオニア、キヤノンメディカルシステムズ、セントラルユニ、エア・ウォーター、グリーンホスピタルサプライ、エア・ウォーター防災、SOLIZE)が連携している。

 これまでに機器をパッケージ化した基本版(広島大学)で手術を30例、開発したミドルウェア(OPeLiNK)によりネットワーク化した標準版(信州大学)で手術を4例施行しているという。

 また、2018年度中には高機能版(東京女子医科大学)を導入予定。なお、OPeLiNKを使用することにより、各機器の出力データをミドルウェアで「標準化」し、常に同じフォーマットのデータをデバイス非依存で提供できるとしており、同技術開発により、世界の健康医療に貢献し、Society5.0を実現する相互運用性の高い医療情報基盤を構築を目指す。


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