Googleは米国時間2月4日、「Live Transcribe」と「Sound Amplifier」という2つの新しいAndroidアプリをリリースした。その狙いは、聴覚に障害のある人がより簡単にコミュニケーションできるよう支援することだ。Live Transcribeは、その名が示すとおり、スマートフォンのマイクを使って、相手が話している内容をディスプレイに自動表示する。Sound Amplifierはスマートフォンとヘッドホンを使って、周囲の人々の会話を聞き取りやすくする。
この2つの新製品を開発するため、GoogleはワシントンDCにあるギャローデット大学と提携した。同校は聴覚障害者のための私立大学だ。
Live Transcribeを起動すると、スマートフォンのマイクで拾った音声を自動で文字に書き起こしてくれる。黒い背景に白い文字で文章を表示するか、白い背景に黒い文字で表示するかを選べる。対応言語は70種類以上。声ではなく文字で返事をしたい人のために、キーボードツールも用意されている。
アプリを閉じると、書き起こされた文字は消えてしまう。会話の内容を保存する方法はなく、Googleのサーバに保存されることもないという。また、スマートフォンにマイクを接続して、書き起こしの精度を高めることもできる。このサービスを利用するには、インターネットか携帯回線に接続する必要がある。
Sound Amplifierを使うには、Android搭載のスマートフォンとヘッドホンが必要だ。トグルスイッチやスライダーを動かすことで、周囲の音の聞こえ方をコントロールできる。音を増幅させたり、さまざまな微調整を試したりして、近くで聞こえる不要なノイズを減らすことができる。
Live Transcribeは現在ベータ版が公開されており、2014年にリリースされたGoogleの「Android 5.0 Lollipop」以降のバージョンを搭載したスマートフォンで動作する。Sound Amplifierを利用できるのは、2018年8月にリリースされた「Android 9 Pie」からだ。いずれも「Pixel 3」にはプリインストールされる。なお、Appleの「iPhone」でこの2つのツールを使えるようにする計画は、今のところない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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