IBM Researchは米国時間1月29日、顔認識技術の公平性と精度の向上を目指し、多様な人間の顔の画像100万件を含む新しいデータセットをリリースした。
IBMのフェローのJohn Smith氏は、ブログ投稿で次のように書いた。「顔認識システムが望まれるパフォーマンスを発揮し、結果を一層正確なものにするために、訓練データは広範な対象を取りそろえた多様なものでなければならない」「画像は、われわれが世界で目にする顔の特徴の分布を反映したものでなければならない」
今回の動きに先立ち、顔認識システムにおける人工知能(AI)に偏りがあると報告された。24日に発表されたマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究で、Amazon.comの「Rekognition」が、MicrosoftやIBMの競合技術よりも、肌の色が濃い女性の性別の認識に苦戦し、性別の識別で全般的に間違いが多いことが明らかになった。
IBMによると、研究者はすでに年齢、性別、肌の色といった属性に取り組んでいるが、これだけではすべての人を十分に特徴づけることはできないという。顔の対称性、コントラスト、ポーズ、目や鼻や額や口などの長さと幅といったものも考える必要がある。
「Diversity in Faces」(DiF:顔の多様性)と名付けられたIBMのデータセットには、頭の長さ、鼻の長さ、額の高さ、顔の比率、年齢、性別、ポーズ、解像度など10のコード体系がある。
IBM Researchは1月29日、世界中の研究者を対象に、DiFデータセットの利用申し込みの受付を開始した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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