顔認識技術はさまざまなハイテク製品で使われ、スマートフォンのロックを解除したり、自撮り写真にクールなエフェクトを追加したり、ロボット犬と遊ぶのを支援したりする役割を担っている。しかし、こうした罪のない用途ばかりではない。
そのことを懸念し、米国自由人権協会(ACLU)は85を超える人権団体と連名で、大手IT企業に顔を監視する技術を米国政府に提供しないよう要請した。この連合体はMicrosoft、Amazon.com、Googleに書簡を送り、顔認識の問題に対してそうした姿勢を明確にするよう求めた。
これまでに、中国政府が顔認識技術を実験して市民を監視しているとの報道を目にした人も多いだろう。欧米でも捜査当局がこの技術を利用しているが、その成果はまちまちだ。2018年5月の調査では、英国のロンドン警視庁による顔認識技術の利用が98%のケースで不正確だったことが判明した。だがその後も、米国の国土安全保障省は、ホワイトハウス周辺における顔認識の実験を継続してきた。
ACLUと連合体は今回、大手IT企業に対し、米国政府による人権の制限に各社の顔認識技術を使わせないよう求めている。「(顔認識は)政府に対し、われわれのコミュニティーにいる移民、宗教的マイノリティー、有色人種などを標的にしてやり玉に挙げる新たな権力を与える。顔監視技術で構築されたシステムは、過去と現在の偏見を増強し悪化させる」(ACLU)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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