Microsoftは各国政府に対し、顔認識技術が独立機関によってテストされることなどを義務づける法律を、2019年に制定するよう呼びかけている。同技術の正確さの確保、不公平な偏向の防止、個人の権利の保護が目的だ。
Microsoftの最高法務責任者を務めるBrad Smith氏は、米国時間12月6日のブログ記事で次のように述べた。「いわば、顔認識の霊が瓶から(現実の世界に)出てきた状況だ。われわれは行動を起こさないと、5年後に気づいたときには、社会問題を悪化させるかたちで顔認識サービスが広まっている危険がある。その頃には、こうした問題を瓶に戻すのがはるかに難しくなっているだろう」
Smith氏は、コンピュータ任せにするのではなく、顔認識の結果を人間が見直すよう呼びかけた。
「こうした(人間が見直すべき)状況には、決定が消費者を身体的または精神的に傷つけるリスクを生む場合、人権や基本的権利に影響がある場合、消費者の個人的自由やプライバシーが侵害される場合が含まれる」(Smith氏)
顔認識技術を導入する者は、「個々の消費者や消費者のグループへの差別を禁じる法を守る義務を免れないことを認識」しなければならないともSmith氏は述べた。
顔認識技術は一般に、スマートフォンのロック解除やソーシャルメディアでの友人のタグ付けといった日常的作業に利用されるが、プライバシーに関する懸念が残る。人工知能(AI)の進歩とカメラの普及により、個人の行動の監視と追跡がますます容易になっている。
法執行機関は、捜査に役立てるために技術に頼ることが多いが、ソフトウェアは決して完璧ではない。5月の報道によると、英国のロンドン警視庁が使用する顔認識ソフトウェアは、警告を発したケースの98%で照合が不正確だったという。
「広く行き渡ったカメラに、膨大な計算能力とクラウドストレージを組み合わせるなら、政府は顔認識技術を利用し、特定の個人を継続的に監視できるだろう」(Smith氏)
「2024年が小説『一九八四年』の中の1ページのようにならないよう、われわれは尽力しなければならない」(Smith氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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