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営業力を上げるCocolive「KASIKA」が不動産業界の”当たり前”を変える - (page 3)

加納恵 (編集部)2019年01月18日 10時00分
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不動産業界のIT化は遅れているのではなく、むしろ進んでいる

——不動産の営業は「せんみつ」が当たり前ですから、数を打たないと成約に結びつかないと考えてしまいがちですが、思い込みかもしれませんね。IT化についてはどうですか。デジタルデータ化にかなり苦労されたようですが。

山本氏 確かにデジタルデータ化については、各社の状況に開きがありましたが、中にはデジタルデータを一元管理して、そのデータを元に営業活動をしたり、顧客の購入意欲を分析したりしている会社もありました。

 特にすごいなと感じたのは、会員登録の仕組み。最初の画面では名前とメールアドレス程度しか書き込む場所を掲載していなくて、そこまで記入すると次の記入ボックスが出てくるようになっていました。最初に名前、住所、メールアドレス、年齢、職業など、記入する場所を見せると「これならいいや」と記入してくれなくなるのですが、少しずつボックスを増やしていくと、なんとなく登録してしまう。これは人の気持ちをよくわかっている造りだなと感心しました。

——かなりIT化が進んだ事例ですね。

山本氏 はい。先ほどの会社は特別な例ではありますが、個人的に不動産業界のIT化は遅れているのではなく、むしろ進んでいると思っています。現在、不動産ポータルサイトの登場により、ほとんどの物件の情報がウェブサイト上で見られますよね。またウェブサイトを全く体験せずに家を借りたり、買ったりする人の割合はかなり低いと思います。これだけウェブサイトが発達している業界は少ないのではないでしょうか。

 問題はこれだけデータが存在しているのに、実際に家を買ったり、借りたりする最終的な決定段階であるお客様と営業担当者の話し合いの中では、データがほぼ使われていないこと。その分断をつなげられたら、通販業界に楽天やアマゾンが現れたような変革がもたらされる。不動産会社は無駄な提案をすることなく、お客様も必要のない営業電話に悩まされなくなる。みんなハッピーになる仕組みを提案するために作ったのがKASIKAです。

不動産に特化した「わかりやすさ」をアピールする

——同様に、顧客分析や可視化サービスを提供している競合もありますが、KASIKAならではの強みはどのあたりでしょう。

山本氏 不動産業界に特化した使いやすさを提供している部分だと思っています。同様のツールを導入したこともある不動産会社も多いですが、カスタマイズしすぎてしまって逆に使いづらかったり、多機能であるがゆえに使われてなくなってしまったりと、使う人と内容が合わないケースもあると聞きます。

 加えて、メールマガジンの制作までできるなど、通常の顧客分析ツールではカバーできない部分までサポートできます。これはほかのサービスにはないCocoliveならではの部分だと思います。

 こうした細やかなサポートができるのは、金田率いるカスタマーサクセスチームがいるからこそです。このチームでは、導入のセットアップから、活用促進、継続利用のためのコミュニケーションといった部分をすべて担っています。

——不動産会社からの要望はどういったものが多いですか。

金田氏 物件の価格を決定するツールがほしいなど、KASIKAを使いこなしていただけると、「これはできないか」「あれもできないか」と多くの要望をいただけるケースが多いです。そうした声は喜んで受け止めています。

山本氏 KASIKAでは、カスタマイズはしておらず、いただいた要望を選択しながら機能を追加している状況です。現時点では、KASIKAの機能の6割は不動産会社の方からいただいた要望でできています。

——サービスを作る上で特に重視されている部分は。

山本氏 ユーザーインターフェースのわかりやすさですね。特にログインして最初に見る画面はできるだけシンプルに、情報を最小限に抑えました。顧客の行動を分析できても、営業担当者の方に使っていただけなければ意味がありませんから、誰が見てもわかるようにしています。

——いかにハードルを下げるかですね。今後の展開について教えてください。

山本氏 今後1~2年は、金田が担当するカスタマーサクセスチームが主力となって、KASIKAの導入を推進していく計画です。カスタマーサクセスチームが集めた要望や使用実例は、データとして貯まっていきますから、それに合わせて顧客分析をするだけではなく、育てて行く側になりたいと思います。それにより、さらに効率的な集客ができるようになると考えています。

 最終的に目指す部分は、ウェブサイトを使った物件の検索と、分断されている物件決定部分の一気通貫です。資料請求したお客様が内見をしたか、内見したお客様の感触はどうだったか、内見したお客様が購入したかという、お客様のリアルな動きを反映することで、顧客体験を高められるようにしていきたいと思います。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点Jリートの上場に参画。太陽光パネルメーカーCFO、三菱商事合弁の太陽光ファンド運用会社CEOを歴任。クロージング実績は不動産や太陽光等にて3500億円以上。2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナー等を開催するほか、不動産会社やIT企業に対してコンサルティングを実施。自社においても不動産売買支援クラウド「キマール」を展開。2018年、不動産テック協会の代表理事に就任。早稲田大学法学部を卒業後、政治学修士、経営学修士を取得。コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。 

 

川戸温志

NTTデータ経営研究所 シニアマネージャー

大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。

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