毎週のAppleニュースをまとめる定点観測の連載、「Appleニュース一気読み」。2019年も週1度ずつ、CNET Japanに流れたAppleの記事を一覧しながら、Appleの視座からテクノロジー業界を見ていきたいと思います。引き続きのご愛読をよろしくお願い致します。
米国時間1月2日、AppleはCEOのTim Cookの名前で、投資家向けにレターを出した。そのレターは公式サイトにて日本語の訳で読むことができる。
ティム・クックからAppleの投資家への手紙 - Appleこのレターでは、11月1日の2018年第4四半期決算発表時に890億〜930億ドルと予測していた売上高のガイダンスを、840億ドルに大幅に引き下げることを伝える、いわゆる「利益警告」だ。その理由として、中華圏でのiPhoneの販売不振を挙げた。
書簡では、Appleの決算期とiPhone発売のタイミングの問題や、米ドル高の影響、製品数の増加によるサプライ面での圧迫、そして新興経済の弱さを織り込んでいたという。そしてこれらは概ね、予測通りに推移している。
しかしAppleにとって誤算だったのは、iPhoneのアップグレードの遅れと、中国経済の減速によるiPhoneの販売不振だった。
今回のガイダンス引き下げの幅、すなわち売上高予測の欠損分である約50億ドル分は、中国市場における売上高の予想が下回ったことが「理由のすべて」であるとしている。中国市場におけるiPhone以外の売上高は19%増加しているとも触れた。
またiPhoneのアップグレード率の低さについては、携帯電話会社による販売奨励金の減少や米ドル高、iPhoneのバッテリー交換の割引の利用が原因になっているとしている。
Appleの今回の利益警告によって、株価は一段と下落し、一時142ドル台をつけた。Appleが11月1日の決算発表で弱気のガイダンスを示して以来、米国の株式市場は大きく値下げ調整に転じている。あるいは、下落トレンド入りを指摘する声も聞かれるほど、2ヶ月下げっぱなしの局面となった。
一方で、Appleが利益警告を出したことで、他社も中国に起因する業績の低迷を言いやすくなったかもしれない。いずれにしても、Appleが「すべてを中国のせい」にしている点は、今後のAppleのビジネス戦略も含め、注目していくべきポイントだ。
アップル、10-12月期の売上高予測を下方修正--中国での販売低迷で(01/03)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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