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モバイルマーケティングは「DMP」ではなく「CRM」が重要に--Repro平田氏が解説 - (page 3)

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 その上で平田氏は、「この問題はReproなら解決できる」と強調する。

 現状のReproはウェブとアプリに特化しているものの、SDKや分析用アルゴリスムなど主要なツールが準備されており、メール送信やプッシュ通知のためのシステムも統合されているという。このため、最短で半日で実装でき、これこそが世界59カ国にまで導入が広がっている理由だと平田氏は推測する。

Reproはデータ入力・処理・データ出力までを一貫して処理できる
Reproはデータ入力・処理・データ出力までを一貫して処理できる

「少年ジャンプ+」でも使われたAIの離脱予測技術

 DMPもReproも、マーケティングを全自動で実行するツールではない。どちらも運用が重要なのは事実だ。平田氏は「DMPなりReproを導入して、その後どうすればいいのか。これに答えはない。会社が違えば、抱えている顧客の属性は違うし、課題もバラバラ。PDCAを回していくしかない」という。

 また、世間では何かとAIが話題を集めているが、マーケティングの分野にも大きく影響を与えているという。Reproでも毎日数千万台のスマートフォンからユーザー行動を収集しており、これを機械学習にかけている。マーケターの仕事は、どんなターゲットに、どのタイミングで、どのチャネルでメッセージを送るかを判断・実行することだが、AIの進化によってこれらの業務もほぼ代替できそうだと平田氏は話す。

 一方で、「どのようなメッセージを伝えるか」は、AIが担うことはまだ難しいとも指摘。定型的な作業はReproのようなツールに極力任せ、人間はより付加価値のある販促キャンペーンの企画やキャッチコピー制作などのクリエイティブに集中するべきという。

 AIによるマーケティングの実績として、平田氏が具体的に提示したのが集英社との取り組みだ。漫画アプリ「少年ジャンプ+」のユーザーをReproで分析し、「離脱しそうなユーザー」をAIで発見・抽出。離脱防止措置が効率的にとれるかを実証実験した。

 「少年ジャンプ+」アプリでは、ユーザーの離脱防止を目的に、漫画購入に使えるポイントを定期的かつ全ユーザーに配布していた。これは販促費として当然コスト扱いになる。もし「離脱しそうなユーザー」が分かれば、そのユーザーだけに離脱防止措置を講じればよく、投資効率も上がる。

 この実験では、AIの予測誤差は約10%。また、予想再訪確率の低いユーザーほど、特典ポイントを配布したときの引き留め効果が大きいことも分かった。結果、予想再訪確率が30%未満のユーザーにのみポイントを配布して十分な効果を証明。これは全ユーザーにポイントを配布した場合と比べて、かかったコストを85%削減することができた。

 「この結果は、“誰にマーケティングするか”の精度がAIによって大きく上がったということ。これならマーケターの仕事は確かになくなる」と平田氏は語る。

「少年ジャンプ+」アプリでの実験では、AIで「離脱しそうなユーザー」を判別。その層に対して集中的に対策を行うことで、コストが抑えられた
「少年ジャンプ+」アプリでの実験では、AIで「離脱しそうなユーザー」を判別。その層に対して集中的に対策を行うことで、コストが抑えられた

 そのほか、ゲーム会社と協力して「課金しそうなユーザー」をAIで見つけ出すための実験も実施しているという。現在の精度は70%ほどだが、数カ月で大きく改善できると平田氏は自信をみせた。

AIでマーケティングはここまで変わる

 AIの応用範囲はまだまだ広い。例えばプッシュ通知のタイミング最適化機能。一般的にプッシュ通知は、就寝を阻害する可能性の高い深夜には送らないのが普通だ。とはいえ、ユーザーの生活パターンは本来バラバラ。深夜に送ってきてくれたほうが嬉しいユーザー、朝であっても夜勤明けで寝ているユーザーなど様々だ。

 しかしAIを介在させれば、「恐らく正午にプッシュ通知すれば、ランチ時だし読んでくれるだろう」というマーケターの経験則ではなく、ユーザーデータを元にした論理的なタイミングで施策を打てる。Reproの実験では、この機能によって開封率が27%、コンバージョン率が35%上がった。

 最後に平田氏は、CRMの重要性は今後さらに増すと語る。Reproの顧客である大手CtoCアプリはテレビCMの大量投下でインストールベースを増やす施策をとっていたものの、効果は一服したとして完全にリテンション重視型のCRMへ転換したのがよい証拠だと補足する。

 そしてマーケティングAIの価値もどんどん向上していく。「AIが得意な部分はAIに任せ、人間はより本質的な部分――顧客にどんなメッセージを伝えるのか、どうすれば顧客は驚いてくれるのか──そこを考えていく体制へと変えていくべきではないか」と講演を締めくくった。

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