アシストが説く、消費者行動を迅速にマーケターの力で導き出すITツールの活用術

 現代のマーケティングで重要なのが、さまざまなチャネルの顧客行動からいかに迅速にデータを結合し整形して分析できるか。11月28日に企業のマーケターを対象にした「CNET Japan CMO Award & CNET Japan Conference 2018」では、アシスト 情報基盤技術統括部 部長 Qlik Luminaryの花井正樹氏が登壇。「マーケターが自力でビッグデータを活用し、顧客体験を高める方法とは?」と題し、データ分析全体の8割を占めると言われているデータの準備を、他人任せにせずマーケター自身が短時間で仕上げていく方法と、その重要性について語った。

アシスト 情報基盤技術統括部 部長 Qlik Luminary 花井正樹氏
アシスト 情報基盤技術統括部 部長 Qlik Luminary 花井正樹氏

 急速にデジタル化されてきた現代社会では、データのほとんどがクラウドサービスに蓄積されている。企業内のデータに関しても最近はクラウド化されており、クラウドアプリを活用している企業も多い。

 デジタル化によってデータは分析しやすくなったが、その反面新たな課題に直面している。それは、さまざまなチャネルの膨大なデータを、どう“料理”して企業経営に活かすかである。社内の顧客データだけでなく、スマホやアプリ、SNS、IoT、センサー、オープン化されたデータなど、ありとあらゆるデータがビックデータとしてサイバー空間に吸い上げられている。そういったデータをどう横断的に利活用して現実世界へフィードバックしていくかが課題だ。

 アシストで長くデータ分析に従事してきた花井氏は、「増え続けるデータ量と統一されていないデータ形式によって、マーケターだけでは処理できずIT部門に頼らざるを得ない状況になっている。いかにITを活用し、IT部門だけでなくユーザー部門自らがデータづくりに参画するか、その環境づくりが重要」と指摘する。

↑社内のIT部門が管理しているデータだけでなく、社外にあるさまざまなデータをいかに活用できるかが課題だ
社内のIT部門が管理しているデータだけでなく、社外にあるさまざまなデータをいかに活用できるかが課題

 さまざまなデータを分析するには、まずデータを整える“準備”が必要。最近では、社内のデータの分析はIT部門が環境を整え、検索ツールやBI(Business Intelligence)ツールなどでアクセスできる状況になりつつある。しかし、マーケティング部門としては、社外のデータとマージして分析することを望んでいる。そのため、結局エクセルでデータを自ら加工する作業が発生し、膨大な時間を費やしているケースが増えている。

 なぜそのような状況に陥っているのか。データの加工をIT部門に任せたくても、データの意味がわからないため、要件定義やどう加工するのか打ち合わせが必要となるため、かなりの時間がかかってしまう。逆にIT部門が使っているツールをマーケターが使おうとしても難しくて使いこなせない。結果、データ活用・分析において、データ準備に全作業の80%が費やされているという。

 花井氏は「データ準備の作業には、当たり前のように多くの時間が費やされてきたのではないでしょうか?ここを解決することで、飛躍的にデータ活用の生産性を上げたり、マーケターにとっては、消費者の行動を理解することにつながる」と説いた。

アシストがIT部門とユーザー部門それぞれでアンケートを行なった結果。データの収集や加工にエクセルを使っているという回答が7割を超えた
アシストがIT部門とユーザー部門それぞれでアンケートを行なった結果。データの収集や加工にエクセルを使っているという回答が7割を超えた
一方、データを活用するにあたりどんな課題があるのかという問いには「データが散在していること」が半数を超えた
一方、データを活用するにあたりどんな課題があるのかという問いには「データが散在散財していること」が半数を超えた

 データの整形や加工は、データ・プレパレーションという手段で解決できる事例をデモで実演した。アシストが扱っている「Paxata(パクサタ)」を使い、ハンバーガチェーンのマーケティング部門担当者が、クーポンの利用状況や会員情報のデータをマージし、最終的にBIツール使って分析するシナリオだ。

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