Magic Leap Oneの可能性を示せる体験が1つあったとすれば、それはDr. Grordbort's Invadersだ。Magic Leapにとってのこのゲームは、任天堂にとっての「スーパーマリオブラザーズ」のようなものである。美しくデザインされており、直観的に操作でき、プレイしていてとても楽しい。
筆者は、リビングルームの壁を突き破って侵入してくるロボットから自分の身を守らなければならない。なんとも非日常的な体験だ。「ロード・オブ・ザ・リング」「アバター」「マイティ・ソー バトルロイヤル」といった映画を担当した特殊効果およびデザイン会社のWeta Workshopが、収集品のような1950年代のSF映画風の光線銃を自社で製作し、それをベースにこのゲームをデザインした。
Magic Leap Oneには、テレビリモコンサイズのコントローラが付属しており、設定を選択することができる(このゲームでは、デジタル光線銃を発射できる)。「Gimble」という名前の親切なロボットが粒子ビームを放つその兵器を差し出してくれた。本物のコントローラでそのデジタル光線銃に「触れる」だけで、その武器を受け取ることができた。デジタル光線銃はすぐにコントローラの上に重ねて表示された。これこそがMRの本質だ。つまり、筆者には光線銃が見えるが、ほかの人には、筆者が小さなコントローラを握っているようにしか見えない。
ゲームのプレイ中ずっと、映画「ドクター・ストレンジ」に出てくるような穴がリビングルームの壁に無作為に開いて、ロボット軍団が光線銃で攻撃してくる。反撃するために、コントローラのトリガーボタンを引く。この一連の体験は全て自然で直観的に感じられる。光線銃による攻撃をよけようと必死になっていたときは、特にそう感じた。端から見れば、筆者は何もない壁を見つめながら、テレビのリモコンを銃のように壁に向けて、奇妙なスクワットや回転運動をしているように見えるだろう。
Dr. Grordbort's Invadersは、従来のビデオゲーム機のゲームよりも、もっと没入感があって楽しい。リビングルームやベッドルームなど、どこであろうと、自分がいる空間内でアクションが繰り広げられるからだ。テレビ画面でゲームをするときには得られない感覚だ。その没入感はやみつきになる。
ダイニングルームに入って、空の額縁だけが置かれたテーブルに座る。Magic Leap Oneを装着すると、Micaという名前の女性が向かい側に座っている。Micaの見た目は本物の人間というよりもアニメーションに近いが、目の動きや顔の表情は非常に人間的だ。一部のビデオゲームで見られる、生気のないCGの目とは違う。
微笑みかけると、Micaはそれに反応し、おどけるように筆者をちらりと見た後、大きな笑みを浮かべる。筆者が緊張から笑い出してしまうと、Micaは少し身を乗り出して、筆者の目を見つめた。とても奇妙な感覚だった。そこに本当の人間は1人しかいないのに、このやりとりがすごく自然に感じられたからだ。この無言での表情のやりとりは、1~2分続く。演劇学校で、もう1人の役者と今その瞬間に入り込むという演技を磨く練習をしたときのことを思い出した。
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