——メタップスの2019年の抱負を聞かせてください。
山﨑氏 : 私は既存のB2B事業をとにかく深化し、確実に利益を出し、利益率を高めていくことにフォーカスします。ブロックチェーン領域がどうなっていくかまだわからないところもありますが、全方向に投資をして何かしらのきっかけをつかめるような1年にしたいと考えています。
佐藤氏 : 2019年はトーンがガラッと変わるんじゃないかなと思っています。2017年、2018年は世の中が似たようなトーンで流れてきて、新しいテクノロジーがあって、それに対する過剰な期待で世の中が回って……という状況。それで大企業や古い業界の人たちが焦る、という繰り返しだったと思うんですね。新興企業に有利な2年だった気がしています。
でも、2019年からはそうじゃなくなるんじゃないか。テクノロジーが当たり前になりすぎて、IT企業はこれまでのように強みを活かしにくくなってきているのでは、と思います。Facebook、Google、Amazonなどにあまりにも力が集まりすぎていて、他の会社が利益を出せない状況になってきている。新興企業やスタートアップがガンガンファイナンスする、みたいな風向きが変わってくるのではないかと思います。
各社の決算を見ていてもあまり良くないんですよね。今回ブロックチェーンのビジネスの流れが一度潰されてしまったところがあって、不動産投資も、ソーシャルゲームも、広告も厳しくなった。いろいろなビジネスがなくなりつつあって、そんなにもう残っていないんですね。そういうのを見ていると、統合と消滅を繰り返す2019年になるのではないかと思っています。
——そのなかでメタップスはどのような舵取りをしていくのでしょう。
佐藤氏 : 私たちは下げトレンドが得意なんです。全員が悲観的なときにどういう立ち居振る舞いをするかっていうのは、ある種私たちがこれまでずっとやってきたことなんですよね。上げ相場のときのほうが実は難しい。
それと、B2Bのしっかりした事業を持っていることがメリットになる時期だとも思います。2019年に関してはB2Bのしっかりした収益を保ちながらも、次の芽を仕込むチャンスだなと。各社があまり投資できなくなってくると思うので、そのタイミングでドバッと投資できるかどうかが肝だなと思っています。コンシューマーはとことん攻めます。
——メタップスには数多くの子会社がありますが、今後はさらに増やしていくのでしょうか、それとも集約していくのでしょうか。
佐藤氏 : 2019年はたぶん集約していく流れになると思います。拡大と集約を3〜4年のスパンで繰り返していく。2015年に上場してからとことん広げて、それが形になったので、今度はまた統合していき、動きやすい体制に変えていくことになると思います。上場当時の売上が月商2億円ほど、現在はその10倍になったので、規模としては拡大できました。ただ、強いプロダクトがまだないのが現実的な課題ですね。次はそこを揃えるつもりです。
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