Qualcommは、ハワイで開催したQualcomm Snapdragon Tech Summit 2018で米国時間12月6日、「Snapdragon 8cx Compute Platform」を発表した。QualcommのPC向けプロセッサとしては、7ナノメートル(nm)プロセスを用いて製造される初めての製品だ。
Compute Productsグループのシニアバイスプレジデントを務めるSanjay Mehta氏はこの最新プロセッサについて、常時接続のハードウェア製品群に「究極」を追加するものだと語った。
続いて、製品マネジメント担当シニアディレクターのMiguel Nunes氏が、このチップは「究極の性能、究極のバッテリ持続時間、究極の接続性」を一般消費者にもたらすと語った。
Snapdragon 8cxは、既存製品に取って代わるものではなく、新たな高性能チップとして「Snapdragon 850」と共存していく。
Snapdragon 8cxは、Qualcommが手がける初のPC向け7nmプラットフォームであり、Nunes氏が「プレミアムコンピューティングの新次元」と呼ぶものの1つだ。
Snapdragon 8cxはGPUの「Adreno 680」、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)の「Hexagon 690」、CPUの「Kryo 495」、モデムの「Snapdragon X24 LTE」、イメージシグナルプロセッサ(ISP)の「Spectra 390」などで構成され、Wi-Fiに対応するほか、Qualcommの「Quick Charge 4+」とオーディオ技術「Aqstic」、毎秒120フレームの4K HDR動画再生にも対応する。
Adreno 680は「Snapdragon 835」のGPUの3.5倍高速で、しかも、Nunes氏によると、バッテリ持続時間に影響する消費電力の増加を抑えるため、Snapdragon 850のGPUと比べて60%の効率化を成し遂げているという。
8コアCPUのKryo 495は、7nm製造プロセスを採用し、高性能コア4個と高効率コア4個を搭載する。キャッシュは最大10Mバイト使える。
Nunes氏によると、Snapdragon 8cxは「競合製品の数分の1の電力で2倍の持続的パフォーマンス」を提供するという。加えて、ファンなしの薄型フォームファクタで数日間のバッテリ持続時間を持つデバイスに対応できるという。
Snapdragon 8cxは、Microsoftの「Cortana」とAmazonの「Alexa」の両音声アシスタントに対応する。また、Qualcommとしては初めて、外付けのデュアル4K HDRモニタに対応する。
モバイルアプリに関しては、QualcommとMozillaが共同で、ブラウザ「Firefox」のARM64ネイティブ版を開発している。
Snapdragon 8cxは「Windows 10 Enterprise」とオフィススイートの「Microsoft 365」にも対応する。Microsoftのコーポレートバイスプレジデントを務めるErin Chapple氏は、Windows 10 Enterpriseが提供する「セキュリティ、プライバシー、簡単な管理」をSnapdragon 8cxで利用できると語った。
情報開示:カンファレンスへの参加費用はQualcommが負担した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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