英国議会の委員会が現地時間12月5日、数百ページにおよぶFacebookの内部文書を公開し、サードパーティーのアプリ開発者との提携や、ユーザーデータの取り扱いに対するFacebookの姿勢を暴露した。これに対し、Facebookはこの文書を「議会にとって都合のいい部分だけを公開」したものだと主張し、早々に反論を展開している。
Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏も、Facebook上で自身の見解を明らかにした。そのなかで同氏は、「当社は、他のあらゆる企業と同じように、社内でさまざまな議論を行い、社員がさまざまなアイデアを提案してきた」と説明した。そのうえで、Facebookに対するこうした厳しい調査について、「膨大な数の人々が当社のサービスを利用していることを考えれば当然のことだ」としながらも、「当社の活動や意図をねじ曲げて伝える」べきではないと非難している。
この文書は、英国議会の議員らが、ソーシャルメディアとフェイクニュースの拡散に関する調査の一環として、アプリ開発企業のSix4Three(現在は廃業)から押収したものだ。Six4Threeはこの文書を、Facebookに対する訴訟の証拠開示手続きで入手していた。
英デジタル・文化・メディア・スポーツ特別委員会の委員長を務めるDamian Collins議員はTwitterで、この文書を「重要な公益を有する」ものだと述べたうえで、一連の問題についてFacebookから「率直な回答」が得られなかったため、同委員会はこの文書を公開せざるを得ないと判断したと説明している。
I believe there is considerable public interest in releasing these documents. They raise important questions about how Facebook treats users data, their policies for working with app developers, and how they exercise their dominant position in the social media market.
— Damian Collins (@DamianCollins) 2018年12月5日
この文書は主に、2014年から2015年にかけて実施された、Facebookの開発者向けプラットフォームの変更にあたって行われた議論を記録したものだ。Facebookは当時の変更で、サードパーティーに対するデータアクセスポリシーを改訂し、データアクセスへの制限を強化している。だが、2015年には、Facebook自体がすでに認めているように、ユーザーデータにアクセスできる特別な権限を一部の企業に与えていた。
公開された文書を見ると、こうした特別な待遇をFacebookから受けていた企業として、Lyft、Netflix、Airbnbなどの名前が確認できる。
さらにこの文書は、Facebookがユーザーデータに金銭的価値を見出していたことも明らかにしている。たとえば、2012年のあるメールには、ユーザーデータへのアクセスに対してユーザー1人あたり10セントを開発者に請求することをZuckerberg氏が検討していたことが記されている。
ただし、Facebookは公式回答のなかで、「われわれがユーザーのデータを販売したことは一度もない」と強調している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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