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起業家支援のプロトスターが香港支社を設立--現地進出や開発体制をサポート

藤井涼 (編集部) 飯塚 直2018年12月05日 08時00分
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 プロトスターは12月5日、連結子会社でスタートアップのアジア・世界展開を支援する香港支社「Protostar Hong Kong Limited」を設立したと発表した。日本のスタートアップの海外進出を支援するほか、オフショア開発のサポートなどをしていく。

左から、プロトスター代表取締役CEOの前川英麿氏、代表取締役COOの山口豪志氏、代表取締役CCOの栗島祐介氏
左から、プロトスター代表取締役CEOの前川英麿氏、代表取締役COOの山口豪志氏、代表取締役CCOの栗島祐介氏

 約2年前の2016年11月30日に設立された同社は、さまざまなアプローチで国内の起業家を支援してきた。たとえば、新産業の創出を目指すHardTech(ハードテック)領域のスタートアップを支援する起業家コミュニティ「StarBurst」は、約2年間で累計120社を支援し、各社の累計調達額は80億円を超えるまでに成長しているという。

 また、2018年3月に開始した、起業家と投資家がお互いの情報を検索できるサービス「StartupList」には、現在1200社以上が審査を通過して登録されており、ノンプロモーションながら、口コミで登録企業が増え続けているという。同社代表取締役CCOの栗島祐介氏によれば、起業家と投資家のコンタクト回数は累計1万件を超えており、これまでに130件以上の投資が決まっているという。

起業家と投資家がお互いの情報を検索できるサービス「StartupList」
起業家と投資家がお互いの情報を検索できるサービス「StartupList」

 そして今回、初の海外拠点として香港支社を設立することを発表した。香港市場はスタートアップだけでなく、金融市場としても成長を続けており、シンセンやマカオといった国際的に注目を集める都市へのアクセスも良いため、ビジネスでアジアや世界に出て行く上で外すことのできない拠点だと同社では説明する。

 香港支社の設立にともない、同社の代表取締役COOである山口豪志氏が2019年の春ごろに香港に移住し、日本国内から海外へ進出するスタートアップを支援するほか、海外のスタートアップのサービス、プロダクト、情報を日本国内に届けるとしている。具体的には、新たに4つの事業ドメインを展開していくという。

 1つ目は「香港支社設立と海外進出の支援」。香港は、税制の優遇や市場としての魅力などによって注目を集め、バブル的に世界中の企業の登記場所に選ばれていたが、現在ではそのバブルが弾け、法人登記や香港での銀行口座開設が煩雑になっていると同社では説明。そこで、香港での法人登記、銀行口座開設の代行をメインに、現地でシェアオフィスを展開するという。これによりスタートアップは、海外進出における初期費用やイニシャルコストを抑えられるほか、万が一の撤退のリスクを最低限にできるとしている。

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 「香港は中国へのアクセスが良く、英国領だったこともあって欧州のレギュレーションも理解している。しかし、日本のスタートアップは国内資本で国内のマーケットしか相手にしていない。それは、海外とのつながりがないから。一昔前に商社の人たちが先発部隊として世界中にネットワークを作ったように、今度は僕が香港のコミュニティに入り込んで、スタートアップのみなさんを現地に連れていきたい」(山口氏)。

 2つ目は「海外企業の日本国内展開の支援」。香港やアジアで展開している企業の、日本国内への進出も支援していくという。なお、国内でのイベント運営や、マーケティング支援、StarBurstの参加企業を含め、スタートアップのソーシングなどで、すでに支援を開始しているという。

 3つ目は「スタートアップ/ベンチャー向けのオフショア開発」。スタートアップにとってはエンジニアの採用や開発環境の構築は容易ではない。そこで、ベトナムを皮切りに、東南アジア各地で開発拠点を展開し、日本のスタートアップやベンチャーのサービス開発を支援するという。月額50万円前後からの低額かつ定額のエンジニア開発体制を提供し、カスタマーサポートやデザインなどの開発周辺業務も同じく支援するとしている。具体的には、サービスまたはアプリの受託開発、サービス保守、サーバー保守の保守運用などで、ゆくゆくは香港のスタートアップにも同様のサービスを提供する予定だという。

スタートアップにフォーカスしたフリーペーパー「JUMPSTART」
スタートアップにフォーカスしたフリーペーパー「JUMPSTART」

 4つ目は「スタートアップのライフスタイルマガジンの創刊」。香港で2014年に創刊したスタートアップにフォーカスしたフリーペーパー「JUMPSTART」の日本国内展開のライセンスを取得し、2019年春に無料のフリーペーパー「JUMPSTART JAPAN」を創刊する予定だという。JUMPSTARTは、香港を中心に中国、シンガポール、クアラルンプール、シドニー、シリコンバレー、ニューヨーク、バンコク、ホーチミン、マニラなど世界の26の国や地域で展開しており、コワーキングスペース、VC、大学、空港など世界中の1500カ所以上で設置されている。

 JUMPSTART JAPANでは、スタートアップやベンチャー企業のサービスやプロダクトの紹介、経営者や社員へのインタビューだけでなく、衣食住をはじめとしたライフスタイル、考え方や価値観、文化、哲学などにもフォーカスを当てて取材していくという。本誌の翻訳記事と、同社が運営する起業家支援メディア「起業ログ」の記事を織り交ぜることで、アジアのトレンドや最新情報を発信していきたいという。

 同社代表取締役CEOの前川英麿氏は、「3人代表の1人である山口を香港に移住させ、複数の事業を開始するなど、我々もかなり本気でスタートアップの海外進出を支援してく。スタートアップが海外に出やすくなるハブにしたい」と、香港支社についての展望を話す。また、山口氏も「スタートアップには、いつまで日本で小さくやっているんだと言いたい。しっかり外貨を稼いで、世界にもインパクトを与えていきたい」と意気込みを語った。

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