三井不動産とプロトスターが「日本橋を起業家たちの聖地する」ため始動した。9月19日、三井不動産はプロトスターによる「“E.A.S.T.”(イースト)構想」との連携を発表。三井不動産によるベンチャー共創事業「31VENTURES」の拠点である「31VENTURES Clipニホンバシ」で、日本橋エリアのベンチャー企業支援に注力する。
“E.A.S.T.”構想は「Empowering Ambitious Startups in Tokyo」の略で、東京東側エリアの大手企業とベンチャー企業を日本橋に集積し、促進、支援していこうというもの。起業家コミュニティや起業家と投資家をつなぐプラットフォームを提供しているプロトスターが運営を担い、三井不動産は場の提供や、大手企業との橋渡しなどのサポートを請け負う。
「SHIBUYA BIT VALLEY(シブヤ・ビットバレー)」を始め、ベンチャー企業の多くは渋谷、六本木、五反田など東京の西側に多く存在するが、プロトスターCCOの栗島祐介氏は「渋谷は若手起業家が多く集まっているが、日本橋は30~40代の大人起業家が生まれる場所になる」と日本橋を位置づける。
“E.A.S.T.”構想では、産業構造が複雑で長い歴史を持つ領域のテクノロジ化に取り組むハードテックの注力。具体的には教育、医療、農林水産、不動産、建築土木、製造、製薬、金融などがそれに当たり、BtoB向け事業を手がけている企業が主な対象になる。
日本橋は空港、新幹線、地下鉄などの交通アクセスがよいことに加え、大手企業が多く拠点を構える場所。ここに起業家を誘致し、各インキュベーションへの誘導や起業家の移住を推進することで、起業家の聖地を作り上げる計画だ。
「日本橋は上場企業が多く、企業連携という面でもやりやすい場所。大手企業の多い日本橋のお膝元から次世代の会社が生まれる流れはすでにできつつある」と栗島氏は日本橋の可能性を話す。
さらに、赤坂で「起業版のトキワ荘」として作った「赤坂起業家ハウス」を例に挙げ「起業家寮をつくりたい。拠点を集積して交流し、加速させることができる」(栗島氏)とリアルな場所の集積にこだわる。「ネットの登場により、居場所はどこでもいいという考え方もあるが、ネットに書き込むことで拡散されたり、漏洩したりするリスクがある。集積させていくことによって、地域産業としても盛り上げられる」とコメントした。
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