仮想現実(VR)ゲームは没入感が高いため、VRゴーグルの装着者はVR世界に入り込み、つい本気でプレイしてしまう。しかし、VRゴーグルを使わないと同じ体験ができず、周囲はプレイヤーが何に興奮しているのか理解できない。
これに対しソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、スマートフォンのようなデバイスでVR世界をのぞき見るVRゴーグル非装着者向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月1日に「SECOND SCREEN VIRTUAL WINDOW INTO VR ENVIRONMENT」(公開特許番号「US 2018/0311585 A1」)として公開された。出願日は2018年4月25日。
この特許は、VRゴーグル装着者が体験しているVR世界の映像を、VRゴーグルを使わない人に見せるための技術を説明したもの。非装着者が同技術の適用されたハンドヘルド型デバイスを装着者に向けると、デバイスの画面にVR世界と装着者の姿が表示される。
デバイスにはカメラが2つ搭載されており、一方はVRゴーグル装着者、もう一方は非装着者をとらえる。両カメラからのデータを解析すると、デバイスからの装着者および非装着者の距離情報が得られる。この情報を利用し、VR世界を生成するコンピュータと連携することで、デバイスの画面に非装着者の位置から見えるであろうVR世界の映像を映し出す仕組みだ。
このデバイス越し見る装着者は、現実世界の姿でなく、VR世界で活動中の姿で表示される。たとえば、怪獣と闘う勇者の姿だったり、人間とは異なるキャラクターの姿だったりする。デバイスとVR装着者との距離、デバイスの方向に応じて、表示される映像も変化する。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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