ビジネスチャット「Chatwork」(旧チャットワーク)を展開するChatwork(旧ChatWork)は11月28日、コーポレートミッションの刷新やロゴのリニューアル、社名やサービス名表記の変更などを実施。また今後について、代理店販売を通じての普及拡大や、アジアを中心としたグローバル展開を進めていく方針も発表した。
Chatworkは2011年3月から提供を開始したビジネスチャットツール。2018年11月時点で導入社数が20万社を超えているという。もともとは2007年に前身となるEC studioを創業し、中小企業の成長をITで支援する事業を多角的に展開していたが、Chatwork事業に集中し、社名もChatWorkに変更している。
今回のコーポレートミッションの刷新などについては、これまで専務取締役CTOとして従事していた山本正喜氏が、代表取締役CEO兼CTOとして6月に就任し、第二創業期として新たなスタートを切ったことや、会社の事業領域がChatwork事業に集中している現状から、今後の成長に向けより具体的なコーポレートミッションが必要と判断したという。
新たなコーポレートミッションは「働くをもっと楽しく、創造的に」。山本氏によれば、“働く”をただ報酬を得るための義務となる労働ではなく、創造的に社会を豊かにしていけるライフワークへと変えていくこと、そして、当たり前とされていた従来のビジネスコミュニケーション方法を見直し、やりたいことに集中できる環境の提供を通じて、自分らしく働ける未来を作っていくことを意図しているという。
また社名を「ChatWork」、サービス名を「チャットワーク」としていたが、ともに「Chatwork」に変更し統一を図った。また、2019年内には本社を大阪府内に移転予定としている。
今後の成長戦略としては、機能やサービス拡充の面では、「チャットを起点としたプラットフォーム構想の加速化」と題し、仕事で必要なツールや業務をChatworkに集約し一元管理を行えるようにすること。すでにAPI連携のほか、Chatworkで通知する電話代行をはじめとする、業務支援サービスも開始しており、この部分のサービス拡充を進めていく。
代理店販売を通じての普及拡大については、これまで直接販売を中心に展開し、過去行った資金調達によって営業部門を新設しているなか、代理店を増やすことで直接販売だけではリーチしにくい全国の企業や官公庁、さまざまな業種にアプローチしていくという。
グローバル展開では、まずベトナムや台湾などのアジア地域を中心に進めていく。ベトナムについては、日本のオフショア企業が使っていることから自然に広がっていったとし、これを足掛かりに、現地のローカル企業へ普及を進めているという。そして、まだビジネスチャット市場のナンバーワンサービスが決まっていないアジア各国への営業やマーケティングを図り、「2年後にアジア最大級のビジネスチャット、ビジネスコミュニケーションプラットフォームと言われるぐらいになるのが目標」と、山本氏は語る。
ビジネスチャットの市場においてはさまざまなプレーヤーが参入し、普及も進んでいる状態ではあるが、山本氏は「ITに近しい業界ではビジネスチャットの認知が進んでいる感覚はあるものの、介護や建築、医療、製造などは、営業に行ってもほとんど知られてない。おそらく世の中の8割は、『何それ?』という状態」と指摘。ITに親しんでこなかった人に届けられるかどうかが、次世代のコミュニケーションツールになれるかの分け目になるとの見解を示した。と同時に、そうした“知らない、探さない”という潜在的なユーザーに向けての地道なアプローチを続けていくことも付け加えた。
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