スマートフォンを活用した事前注文・決済アプリ「O:der」を提供するShowcase Gigは11月28日、東北地方でのIT活用促進と雇用創出を目的に、仙台市内に拠点を設立することを発表した。同社として初めての地方拠点になる。
O:derは、飲食店やカフェで事前注文と決済ができるアプリ。利用者は券売機や店頭で並ぶことなく、キャッシュレスで商品を受けとれるほか、店舗側はオペレーションを軽減できる。10月にはJR東日本スタートアップとの提携を発表。首都圏における駅ナカ施設でのO:derの試験導入や、タッチパネルによって事前注文・決済ができるSuicaなど、交通系電子マネー対応の店舗省人化ハードウェアの共同開発を進めている。
今回拠点を設立した仙台市では、これまで多様な産業の振興に取り組んでおり、143件の市内立地を実現。新たに8000人を超える雇用が生まれているという(2008年〜2017年の累計)。一方で、「若手人材の首都圏流出」や「雇用受け入れとなる先進企業の誘致」といった課題があると説明する。
そこで同社は、モバイルオーダープラットフォームのO:derを、仙台市をはじめとした東北地方に広げることで、実店舗の利便性向上や省人化支援に努めるほか、次世代の人材育成の拠点として若手人材の雇用創出の受け皿となるべく、仙台市内に拠点を開設することを決めたという。これにより、東北地方における若手IT人材を多数輩出し、企業誘致のさらなる促進などの効果を見込んでいる。
具体的な取り組みとしては、仙台におけるデジタルを活用したイベント企画・運営を手掛ける同社子会社のborderactと連携し、東北エリアの飲食・小売店へのO:der導入やその販促活動を進める。その第1弾として、全国に18店舗を展開する牛たん焼専門店「味の牛たん喜助」のJR仙台駅店で、2019年1月よりO:der導入の実証実験を開始する予定。
同店舗は、仙台駅直結の「牛たん通り」内に位置し、連日観光客などで賑わう一方で、行列による混雑と長い待ち時間が課題となっている。実証実験では、来店前にO:derアプリ(iOS/Android対応)からお弁当の注文と決済を済ませることで、店頭で待たずに弁当の受け取りが可能になるという。
また店舗側も、電話や口頭による注文受付のオペレーション削減に加え、会計業務の負荷が削減できるため、店舗スタッフの省人化が図れるほか、接客品質の向上や人件費削減と回転率向上による売り上げ効果が見込めるとしている。
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